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「安い失点」をなくして浦和が快走。
注目は西川周作と“奪われた瞬間”。
posted2014/07/26 10:30
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Shingo Ito/AFLO SPORT
J1リーグ戦再開後、浦和レッズの試合運びが一層安定している。
23日に行なわれた第16節・徳島ヴォルティス戦、浦和は槙野智章と興梠慎三がゴールを挙げ、守ってはJ1新記録となる7戦連続無失点を達成した。2位・サガン鳥栖との勝点差は4とはいえ、4位・鹿島アントラーズや5位・サンフレッチェ広島との同差は9。ナビスコカップと天皇杯を含めれば公式戦11戦負けなし(10勝1分け)と、着実に歩みを進めている。
連続試合無失点記録が象徴しているように、数字で見ると2013年と今年の浦和は別のチームになったような印象を受ける。第16節終了時の得失点差は昨年が+12、今年が+13と僅差だが、得点と失点の内訳は対照的だ。
'13年:得点32(リーグ2位)、失点20(リーグ6位)
'14年:得点22(リーグ6位)、失点9(リーグ1位)
「安い失点」で失速した昨季終盤の浦和。
昨シーズンの浦和は第12節・鳥栖戦、第13節・柏レイソル戦と2試合連続で6ゴールを奪うなど、攻撃陣が破壊力を発揮する試合が多かった。ただどちらの試合でも2失点を喫したように、守備面に安定感を欠いていた。後半戦、その小さな傷口を修正できないまま、多くの選手が「安い失点」と表現した守備の破綻を招いてしまった。
その象徴が2-5の大敗を喫した最終節・セレッソ大阪戦だろう。柿谷曜一朗や南野拓実らにゴールを許し続けた悪夢を受けて、ミハイロ・ペトロビッチ監督(以下、ミシャ)は以下のように話した。
「レッズはリーグで最もゴールを決めましたが、その上で来シーズン何をしなければいけないかがはっきりしたと思います」
広島時代から独特の戦術で主導権を握るスタイルを貫いてきた指揮官が、会見でこう言い切った。そして迎えた今シーズン、得点が少々減ったとはいえミシャの言葉通りにチームは勝点を伸ばしている。