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「不甲斐なさはあるが、終わってない」
川島と長友、奇跡を掴むための覚悟。
 

text by

寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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posted2014/06/21 15:00

「不甲斐なさはあるが、終わってない」川島と長友、奇跡を掴むための覚悟。<Number Web> photograph by Getty Images

川島永嗣はコートジボワール戦の2失点に「前回大会の総失点と同じ点を取られてしまった」と反省。無失点だったギリシャ戦に続いてコロンビアも完封することができるだろうか。

長友「あとがないときほど、前へ行くしかない」。

「あとがないときほど、前へ行くしかない。後ろを見てもしょうがない。あとがないほど前に行くしかないから。でも、まだ終わってないですから。可能性はもちろんあるし、それを信じるだけです。確かにコロンビアと戦って、勝たなければいけない。その厳しさもあとがないことも、みんながわかっているから」

 長友佑都はしっかりと落ち着いた声で語った。いつものようなエネルギーがあふれ出るような口調ではない。ただそれは落ち込んでいるというよりも、静かに覚悟を決めたという感じだった。W杯という舞台のむずかしさを改めて痛感したからこそ、より冷静にその現実を見つめている。高い目標を掲げ、そこへ自身を追い込むことで、成長してきた。その過程ではクールに、そして客観的に自分を見つめる時間が重要だと、以前語っていた長友。今はそんな時間なのだろう。

「このチームでは、引いた相手をどうやって崩していくかというのが、ずっと課題だった。10人になり、ゴール前を固めてきたギリシャの守備を崩せなかったのは、その課題をクリアーできないままだったということ。1点が決まれば、結果も変わったはずだけど、結局それも決められなかった。その理由はなんなのかを探し求めていました。

「一人ひとりに迷いがあったと思う」

 あれだけボールも持てたのに、攻撃に迫力があったかといえば、そうでもなかった。アイデアにも欠けていた。どうやって相手をこじ開けるのかというところでの、選手同士の共通意識は、確実になかったかなと思います。勝たなくてはいけない状況下で、あれだけ引かれて、スペースがない。しかも相手はこちらの縦パスを奪い、カウンター攻撃をすることを狙っているから、パスを入れづらい状況でもあった。でも、やっぱり最終的な質や、選択肢の幅、精度やアイディアが足りなかったのも事実。

 どこをどうやって攻めるのか、どうこじ開けるのかが明確に見えないから、一人ひとりに迷いがあったと思う。それを考えることで、ひとつひとつのプレーが遅れてしまい、ダイナミックさが出なかった。貪欲にいくしかないという風にも考えていました。

 コンディションに問題はありません。

 やれなかったのは、やらせてもらえなかった部分がある。コートジボワール戦もそうだったし、ギリシャ戦も11人対11人のときはいい形もだせたけど、相手が10人になり、難しい状況になったとき、それを打開できなかった。それが自分たちの実力だと思います」

【次ページ】 長友は2戦を終えた結果をどう思うのか。

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