ブラジルW杯通信BACK NUMBER
逆転のGL突破へ、「超V字回復」を。
遠藤、岡崎、本田、それぞれの“志”。
posted2014/06/23 11:20
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Getty Images
初戦のコートジボワール戦で悪夢の逆転負けを喫したザックジャパンは、ショックを引きずったまま第2戦のギリシャ戦を迎え、10人の相手を攻めあぐねた結果、スコアレスドローで90分間を終えた。2試合を終えて1分け1敗で勝ち点1。決勝トーナメント進出に向け、首の皮一枚で命をつないでいる状況だ。
奇跡を信じて戦うしかないグループリーグ最終戦のコロンビア戦は、6月24日16時(日本時間25日5時)、ブラジル内陸部クイアバのパンタナール・アリーナでキックオフとなる。
グループCはすでに2連勝しているコロンビアが決勝トーナメント進出を決め、日本、コートジボワール、ギリシャの3チームが残り1枠を争っている。
日本が決勝トーナメントに進出する条件は同時刻に行なわれるコートジボワール対ギリシャ戦の結果次第で変わってくるが、まず最低限必要なのは、コロンビアに勝利を収めること。そのうえで、可能性をより広げるため、2点差以上での勝利を目指すということが現時点での日本チームの目標となっている。
「選手にはストレスフリーになって欲しい」
より多くの点を取って、シード国であるコロンビアに勝つ。2試合でいいところのなかったチームを考えれば、文字通りの「超V字回復」が必要だ。
チームはそのために何をしてきたか。ナタールでのギリシャ戦を終え、チャーター機で3時間半かけてイトゥーに戻ってきたアルベルト・ザッケローニ監督は、最終戦3日前の練習を直前になって急きょ取りやめた。
理由は、フィジカル的な問題ではなくメンタル面。指揮官は「選手にはストレスフリーになって欲しいと思った」と説明した。
裏を返せば、それだけ選手たちの精神状態が追い込まれていたということだ。ボールを使ってコロンビア戦に備えた練習を行なう時間を1日分削ってまでリフレッシュに務めたのは、一か八かという選択だっただろう。
指揮官は「コロンビア戦に向けてやれることはすべてやる」と話しており、「これからは監督の番だ」ときっぱり言った。