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「不甲斐なさはあるが、終わってない」
川島と長友、奇跡を掴むための覚悟。
 

text by

寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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posted2014/06/21 15:00

「不甲斐なさはあるが、終わってない」川島と長友、奇跡を掴むための覚悟。<Number Web> photograph by Getty Images

川島永嗣はコートジボワール戦の2失点に「前回大会の総失点と同じ点を取られてしまった」と反省。無失点だったギリシャ戦に続いてコロンビアも完封することができるだろうか。

長友は2戦を終えた結果をどう思うのか。

 開幕前には自信にあふれていた長友は、微塵の疑いもなく、自分たちの力を信じ、自身に大きな期待を寄せていた。しかし、2戦を終えた今、勝ち点1、得点1という結果をどう思うのか?

「もちろん、不甲斐なさはあります。でも、何度も言いますけど、まだ終わっていないので。この大会へ向けた4年間。どの選手も想い続け、どのチームよりも想い続けたと思っている。どのチームよりも厳しい合宿をして、準備をしてきたと思っているから。本当に信じてやるだけです」

「何を信じますか?」と長友に訊いた。

「勝利ですね」

 きっぱりとそう言い切った。

重く響いた、ふたりの「信じる」という言葉。

 川島は言う。

「W杯前に言っていた大きな目標に対して、自分たちは強くそれを信じて、ここまでやってきた。厳しい状況に置かれた中で、どれだけ自分たちを信じられるかというのを、本当に試されていると思う。奇跡を信じない人の所には奇跡は起きない。自分たち自身がどれだけ強い気持ちで臨めるかが、一番重要になってくると思います」

 現状の自分に満足せず、自身の可能性を信じ、自分を追い込み、進化を遂げてきた。

 それは長くJリーグで控えキーパーに甘んじていた川島も、20歳まで無名の存在だった長友も同様だ。信じる力で、ステップアップし続けたふたりが、落ち着いた様子で口にする「信じる」という言葉が重く響いた。
 

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