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試合の最初の15分で調子が分かる!
“ルンメニゲ式”観戦術の3ポイント。 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2014/05/12 10:30

試合の最初の15分で調子が分かる!“ルンメニゲ式”観戦術の3ポイント。<Number Web> photograph by Getty Images

現在、バイエルンの代表取締役CEOを務めるカール・ハインツ・ルンメニゲ。CL準決勝のレアル・マドリー戦後には、「今日の彼らは我々の限界を示した」と相手の強さを認める発言をした。

W杯は観戦力を養うチャンスでもあるのだ!

3. 【環境】芝生の状態

 ピッチコンディションは、プレーの質を大きく左右する。昨年6月にブラジルで開催されたコンフェデレーションズカップでは、とても国際大会とは思えないほどピッチが荒れた会場もあり、たとえば日本は開幕のブラジル戦で苦しめられた。芝生を補うために砂がまかれていて、長谷部誠の腕が傷だらけになったことも昨年9月のコラムで紹介した。

 芝生の状態が悪いと、きちんとボールをコントロールしてからでないと次のプレーに移れず、1タッチのプレーが難しくなる。その結果プレースピードが遅くなり、体の接触が多くなる。1タッチのコンビネーションを得意とする日本にとっては、ピッチの悪さは大きな不安要素だ。

 立ち上がりの15分間で、選手がトラップに苦戦していて、1タッチのプレーが少ないようだと、日本にとっては「悪い日」になりかねない。

 この他にも「主なプレーエリアはどこか」、「パスコースを作れているか」など、細かい点をあげれば切りがないが、観戦術はシンプルな方がいい。上にあげた3つの点に注目すれば、おおよその好不調は判定できるはずだ。

 短期間にハイレベルの試合が続出するW杯は、見る側にとっても観戦力を養うチャンスである。まずは最初の15分間が絶好のテストの場だ。

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