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シメオネの能力を見くびっていた!
アトレティコ、2冠に王手の秘密。 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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posted2014/05/08 10:30

シメオネの能力を見くびっていた!アトレティコ、2冠に王手の秘密。<Number Web> photograph by AFLO

アトレティコの監督に就任して3年目、5位、3位、そして今季は現在1位とチームは鋭角に上昇曲線を描いてきた。夢の2冠、達成なるか。

 今シーズンもバルセロナとレアル・マドリーが優勝争いを繰り広げる。

 開幕前、筆者はそう考えた。スペインの大方のメディアもそう書いていた。2強と他18チームの力の差は昨季の時点で大きく開いており、どこがどれほどの補強をしたところで縮まらないと思われたからだ。

 果たしてバルサは第1節から首位につき、そのまましばらく居座った。

 ところが、その背後にぴったり張り付いたのはレアルではなくアトレティコだった。

 その後アトレティコは第4節と第22節で一時的にバルサを追い抜き、第29節からは替わって首位を走り始めた。同様にCLでも快進撃を続け、遂には40年ぶりの欧州ナンバーワン決定戦へ勝ち進んでしまった。道中、欧州王者歴のある強豪を4チームも破ってのことだから、まぐれや幸運のおかげではない。

マドリーやバルサの3分の1以下の予算。

 スペインで'12年に行なわれたアンケートによると、アトレティコは人気の面では国内第3のチームである。とはいっても、その割合は23.8%のマドリーや18.2%のバルサとはかけ離れた3.7%。比例するわけではないが予算も断然少なく、マドリー(4億ユーロ/約570億円)やバルサ(3億880万ユーロ/約551億円)の3分の1にも満たない1億2000万ユーロ(約170億円)しかない。これは今季のCLベスト8の中でも最低で、7番目のドルトムント(2億5600万ユーロ/約364億円)と較べても半分以下である。

 だからネイマールやベイルを獲得することはできないし、主力の移籍も止められない。昨年の夏はチームの得点王ファルカオを4500万ユーロ(約64億円)でモナコに売ってしまった。

 もちろん代わりの選手は探してきた。バルサにいたビジャだ。しかし、'11年冬の骨折で変わってしまった彼に昨季全公式戦で34得点したファルカオと同じ働きを期待することはできない――。

 そこで冒頭の予想に戻る。

【次ページ】 シメオネの能力を見くびっていた予想。

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