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W杯優勝国は「すでに決まっている」!
波乱の歴史が教える6つの『法則』。 

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北條聡

北條聡Satoshi Hojo

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posted2014/04/14 10:40

W杯優勝国は「すでに決まっている」!波乱の歴史が教える6つの『法則』。<Number Web> photograph by AP/AFLO

昨年度、自身2度目のバロンドールを獲得したクリスティアーノ・ロナウド。しかし過去に、W杯前年度にバロンドールを受賞してW杯で優勝を手にした者は一人としていない……。

W杯で優勝できない、ある「賞」の呪い。

【法則1】バロンドールの呪い

 コアなファンの方々はよくご存知のタブーである。現在のバロンドールはFIFA(国際サッカー連盟)選定の「世界年間最優秀選手賞」を意味するが、もともとはヨーロッパ人限定の「年間最優秀選手賞」のことであり、1995年からはヨーロッパの各国リーグでプレーする「非ヨーロッパ人」にも門戸を広げている。

 ちなみに1956年の第1回受賞者はイングランドの伝説的ドリブラーとして名高いスタンリー・マシューズであった。以来、フットボール史に残る偉才が受賞者リストに名を連ね、その多くは祖国をワールドカップの優勝へ導いた英雄たちでもある。およそ「呪い」とは無縁のように思えるが、ある条件下において、この名誉ある賞が「禁断の果実」と化してしまう。

 ワールドカップ「前年度」の受賞者 → 翌年の本大会で優勝を逃す

 呪いの正体がコレである。禁断の実を口にした受賞者はことごとく翌年の本大会で辛酸をなめているのだ。翌年にスウェーデン大会を控えた1957年の受賞者アルフレッド・ディステファノ(スペイン)以降、この呪いを解かれた者は一人としていない。しかも、翌年の本大会で思わぬ「不運」や「悲劇」に見舞われるケースが少なくないのである。以下のリストを眺めてほしい。

1961年 オマール・シボリ  (イタリア→1962年大会=グループステージ敗退)
1965年 エウゼビオ  (ポルトガル→1966年大会=3位)
1969年 ジャンニ・リベラ  (イタリア→1970年大会=準優勝)
1973年 ヨハン・クライフ  (オランダ→1974年大会=準優勝)
1977年 アラン・シモンセン  (デンマーク→1978年大会=ヨーロッパ予選敗退)
1981年 カール・ハインツ・ルンメニゲ  (西ドイツ→1982年大会=準優勝)
1985年 ミシェル・プラティニ  (フランス→1986年大会=3位)
1989年 マルコ・ファンバステン  (オランダ→1990年大会=ベスト16)
1993年 ロベルト・バッジョ  (イタリア→1994年大会=準優勝)
1997年 ロナウド  (ブラジル→1998年大会=準優勝)
2001年 マイケル・オーウェン  (イングランド→2002年大会=ベスト8)
2005年 ロナウジーニョ  (ブラジル→2006年大会=ベスト8)
2009年 リオネル・メッシ  (アルゼンチン→2010年大会=ベスト8)

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