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今年のセンバツを盛り上げるのは!?
出場校と注目の35選手を一挙紹介!
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2014/01/24 18:10
昨年11月の神宮大会で3本塁打を放った日本文理の飯塚悟史。投手としては課題を残したが、スケールの大きい打撃は要注目だ。
投打に存在感を示す、日本文理の飯塚悟史。
北信越は優勝校の日本文理と準優勝校の東海大三が波乱なく選出された。日本文理は明治神宮大会の準優勝で一躍脚光を浴びる存在になった。投打で牽引する飯塚悟史の存在感がもの凄く、神宮大会決勝では第2、3打席で連続ホームランを放ち、優勝した沖縄尚学を瀬戸際まで追い詰めた。
近畿6枠は準々決勝に進出した龍谷大平安、智弁和歌山、履正社、報徳学園、福知山成美、智弁学園、三田松聖、奈良大付のうち、大差負けした三田松聖と奈良大付がふるい落とされた。
龍谷大平安は明治神宮大会準々決勝で日本文理に1点差で敗れているが、総合的な打撃力ではむしろ日本文理を上回っていた。投手力が整備されれば今大会の上位進出も十分可能性がある。個人技に目を移せば、智弁学園の中軸・岡本和真の長打力が話題を呼びそうだ。これまで放った高校通算本塁打は55本。100本超えもけっして夢ではない。
22年ぶりの出場となった、池田は“やまびこ打線”も健在。
中国・四国5枠は例年中国3、四国2と振り分けられることが多いが、今年は中国2、四国3と逆転した。両地区ともまず決勝に進出した岩国、広島新庄と今治西、池田が選ばれ、残り1枠をめぐって中国4強の高川学園と四国4強の明徳義塾の争いになった。高川学園の攻撃力と明徳義塾の総合力が比較対照された結果、全国制覇の経験があり、エース・岸潤一郎など昨年夏の選手権8強メンバーが残る強豪、明徳義塾が選ばれた格好だ。
池田の甲子園出場は'92年の夏以来、22年ぶり。かつて“やまびこ打線”と言われた強打は高校野球ファンを熱狂の渦に巻き込んだが、今年のチームにもその片鱗がうかがわれる。駒大苫小牧とともに話題の一校と言っていいだろう。
九州は九州大会の準決勝に進出した沖縄尚学、美里工、鎮西、神村学園の4校が選ばれた。準V校の美里工・神谷嘉宗監督は、'02年の選手権に出場した中部商の前年までの指導者だったこともあり“悲運の監督”と言われたが、浦添商時代の'08年夏には選抜優勝校の沖縄尚学を破って甲子園に出場、ベスト4に導いたこともあり今では名将の呼び声が高い。その美里工を破って九州を制覇した沖縄尚学は、明治神宮大会決勝で劇的な勝利を収め、今大会でも優勝候補の一角に挙げられる。