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今年のセンバツを盛り上げるのは!?
出場校と注目の35選手を一挙紹介!
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2014/01/24 18:10
昨年11月の神宮大会で3本塁打を放った日本文理の飯塚悟史。投手としては課題を残したが、スケールの大きい打撃は要注目だ。
1枠をめぐりデッドヒートが演じられた関東と中国・四国。
北海道・東北の3枠は例年通り北海道1、東北2に振り分けられ、北海道大会優勝校の駒大苫小牧と、東北大会の決勝に進出した八戸学院光星と東陵が順当に選出された。
駒大苫小牧の甲子園出場は5年連続出場した'07年の選手権以来7年ぶり。'04~'05年の選手権を連覇したチームの看板が強打なら、今年のチームの看板は準決勝(1対0)、決勝(3対2)を1点差で勝ち抜いているように粘り強さ。選手権初優勝当時のキャプテン、佐々木孝介監督の采配ぶりに注目が集まっている。
関東・東京6枠は関東大会4強進出の白鴎大足利、桐生第一、山梨学院大付、佐野日大と東京大会優勝校の関東一がまず選ばれ、残り1枠をめぐって関東大会8強の横浜、習志野と東京大会準優勝の二松学舎大付の争いになった。東京の小山台が21世紀枠に選ばれたこともあり、関東8強の横浜に落ち着いた。
今年も健在だった、北関東勢の強さ。
過去2年躍進が続いていた北関東勢の強さは今年も健在だった。関東大会の4強は栃木2、群馬1、山梨1の顔ぶれで、首都圏勢は横浜と習志野が辛うじて8強入りしたものの両校とも準々決勝で栃木勢に敗れた。
2点差は惜敗と言っていいが、習志野の得点は初回に挙げた1点だけで、それ以降白鴎大足利の比嘉新になすすべもなかった。横浜は1回裏、佐野日大に大量5点を奪われてこれが致命傷になった。それ以降2点差に詰め寄った粘り強さはさすがだが、力負けは否めない。
3年ぶり甲子園出場の山梨学院大付の指揮を執るのは就任2年目の吉田洸二監督。清峰を指揮して'09年選抜を制覇して以来5年ぶりの春制覇をめざすが、当時の長崎県勢は春・夏の甲子園優勝経験がなく、山梨県勢はいまだ優勝未経験という点では状況が似ている。
東海2枠は決勝進出の三重と豊川が順当に選出された。三重は'09年夏から昨年夏までの5年間、春・夏通じて4回出場し、初戦負けは1回だけ。東海を代表する強豪校になったと言ってもいいだろう。豊川は春・夏通じて今回が初出場。両校とも傑出した選手はいないが、三重は持ち味の機動力を絡ませた攻撃力、豊川は田中空良の右腕とセンターラインの堅守でチームをもり立てる。