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日本ダービーに最も近いのは牝馬?
2014年のクラシック戦線を読む。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2014/01/18 08:20
昨年8月の新潟2歳ステークスで上がり3ハロン32秒5という驚異の末脚を見せたハープスター。その真価がクラシックで問われることになる。
ハープスターに勝った“あの馬”は確実に強い。
先に書いたことと矛盾するようだが、「強い馬が勝つ」とは限らず、「勝った馬が強い」というのが競馬である。
その伝で言うなら、阪神ジュベナイルでハープスターを負かしたレッドリヴェール(父ステイゴールド、栗東・須貝尚介厩舎)は間違いなく強い。これで3戦無敗。しかも、その前の札幌2歳ステークスでは牡馬どもを蹴散らしている。
この馬とハープスターがさらに力をつけ、夏を無事に越して凱旋門賞に出走したら、斤量面でのアドバンテージなどから、キズナを脅かす存在になるのではないか。
桜花賞で“2強”に迫るとすれば、チョコレートバインか。
牝馬2頭の話になったので、このまま牝馬戦線について見ていきたい。
前記2頭がダービーに向かうとしたら、ウオッカと同じく、直線の短い中山が舞台となる皐月賞ではなく、力どおりに決まる阪神外回りコースの桜花賞からダービー、というローテーションを選択すると思われる。
桜花賞馬の最有力候補はもちろんこの2頭だが、ひょっとしたら逆転も、と思わせる馬が登場した。
1月11日の新馬戦を武の手綱で勝ったチョコレートバイン(父ディープインパクト、美浦・加藤征弘厩舎)である。直線の短い京都内回りの芝1600mで、4コーナーを回り切ったときには大逃げを打った2着馬と7、8馬身の差があったのに、きっちり差し切った。全身を大きく使った走りはマイルがベストという感じがするが、逆に言うと、マイルなら、ハープやレッドと互角に渡り合えるかもしれない。
阪神ジュベナイルで3、4着だったフォーエバーモア(父ネオユニヴァース、美浦・鹿戸雄一厩舎)とクリスマス(父バゴ、美浦・斎藤誠厩舎)など、今年は関東馬も粒揃いだ。