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田澤純一は日本代表に呼べるのか?
悪しき“ルール”と現実のギャップ。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2013/10/26 08:03

田澤純一は日本代表に呼べるのか?悪しき“ルール”と現実のギャップ。<Number Web> photograph by AFLO

日本球界を経ずにアメリカに渡って5年、レッドソックスのセットアッパーとしての地位を築いた田澤。今季は自身初のワールドシリーズ出場も果たした。

“拒否”した選手に、どの面下げて代表入りを頼むのか。

 年齢は今年の6月で27歳。4年後は31歳で、投手としてはまさに全盛期を迎える。しかもメジャーでの経験も豊富で、実績も積み、移籍等がなければチームでのポジションも築き上げているはずである。

 そういう意味では4年後の日本代表の柱になり得る選手の一人のはずだが、問題はそれでは“田澤ルール”をどうするのか、ということだ。

 日本に戻ってくることを“拒否”した選手に、日本球界はどの面下げて代表入りをお願いするのだろうか。それともそんな経緯があるから、田澤の実力にほっかむりをして代表のリストからも外して候補にも入れないのだろうか。はたまた「そんなルールは関係ないから日本のために頑張ります」という(かもしれないという希望的観測で)田澤の善意にでもすがろうというのだろうか……。

 いずれにしてもこの“田澤ルール”が、これから日本代表を編成していく上で、一つの障害になりかねないのは間違いない事実なのである。

ならばこの悪法を撤廃すべきではないのか。

 一方で“田澤ルール”が、本当に直接メジャーを目指す選手の歯止めになっているのかというと、そうとも思えない。その後に花巻東高校の菊池雄星投手(西武)、大谷翔平投手(日本ハム)らが、メジャー挑戦か日本球界かで話題になった。結果的に彼らは日本を選択したわけだが、選んだ理由は“田澤ルール”があるからではなかった。日本を経てからでも遅くはないという周囲の説得や、“二刀流”という特殊な待遇……。間違っても失敗したら戻れないという恐れではなかったはずである。

 そもそも失敗したら戻るところがないことを考える選手はメジャーに挑戦しようなどとは思わない。どんな困難を乗り越えても自分の夢を達成したいし、その自信もある。そう思う選手のみがメジャーという道を選択肢に入れるわけで、田澤もまたそうして自分の道を切り開いてきたのである。

 そう考えると“田澤ルール”とは、実効性もなく、日本球界の将来にとっては悪法以外の何ものでもないのではないだろうか。

 ならばこの悪法を撤廃すべきである。

 それこそが最強の日本代表結成への道であり、日本のプロ野球の本当の発展へと結びつく道のはずである。

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