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'12年に感じた楽天上昇の気配。
星野監督の“若手”と“バランス”。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byHideki Sugiyama
posted2013/10/02 10:30
念願の初Vに輝き、7度宙を舞った楽天・星野仙一監督。「想像していなかった」優勝の余韻に浸る間もなく、翌日から完封負けが続いた。CSへ向けて再度チームを引き締められるか。
中日、阪神時代のドラフトに見るバランス感覚。
ちなみに星野監督の時代、中日('87~'91年、'96~'01年)阪神('02~'03年)はこんな上位指名を敢行している。
'87年 1位・立浪和義(PL学園・内野手)、2位・鎌仲政昭(神戸高・投手)
'88年 1位・今中慎二(大阪桐蔭・投手)、2位・大豊泰昭(名商大卒・内野手)
'89年 1位・与田剛(NTT東京・投手)、2位・井上一樹(鹿児島商・外野手)
'90年 1位・小島弘務(元住友金属・投手)、2位・矢野輝弘(東北福祉大・捕手)
'91年 1位・落合英二(日大・投手)、2位・佐々木健一(徳島商・投手)
'96年 1位・小山伸一郎(明野・投手)、2位・森野将彦(東海大相模・内野手)
'97年 1位・川上憲伸(明大・投手)、2位・森章剛(藤蔭・外野手)
'98年 1位・福留孝介(日本生命・内野手)、2位・岩瀬仁紀(NTT東海・投手)
'99年 1位・朝倉健太(東邦・投手)、2位・福沢卓宏(滝川二・投手)
'00年 1位・中里篤史(春日部共栄・投手)、2位・洗平竜也(東北福祉大・投手)
'01年 1位・前田章宏(中京大中京・捕手)、2位・田上秀則(九州共立大・捕手)
'02年 自由・杉山直久(龍谷大・投手)、自由・江草仁貴(専大・投手)
'03年 自由・鳥谷敬(早大・内野手)、自由・筒井和也(愛知学院大・投手)
星野氏が関わった13回のドラフトは「投手16人:野手10人」「即戦力14人:高校生12人」と抜群のバランスを誇っている。楽天では中日時代のようにスカウティングに介入していないようだが、星野氏の攻撃的精神はドラフト会場でも力を発揮するはずだ。そろそろ松井稼頭央(遊撃手)の後釜を用意したほうがいいと思うのだが。