MLB東奔西走BACK NUMBER
川崎宗則、青木宣親が高評価の理由。
“Quality At Bat”という新潮流。
text by
菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi
photograph byGetty Images
posted2013/09/27 10:30
メジャー2年目、ブルージェイズ所属の川崎宗則選手。ここまで打率.237と数字は振るわないが、出塁率.331、長打率.319、四死球34とチームのために徹して打席に立っていることがよくわかる。
ダルビッシュが熱くなった、10球の熱闘。
青木にしても1番打者として常に粘りの打席を心がけており、成績においても川崎同様にチームトップクラスの出塁率(3割5分台)を誇っている。
また、少し前の話になるが、今年の5月16日のタイガース戦に先発したダルビッシュ有投手が、3回に迎えたビクター・マルティネス選手との第2打席で10球を費やす戦いを演じた。
その翌日、ダルビッシュはブログ上で「一緒に勝負を楽しんで貰えたのが凄く感動しました」と振り返っている。粘りの打席は投手をも熱くさせるものなのだ。
くり返しになるが、野球はチーム競技だ。
千葉のカット打法もチームの戦術の一つと考えればこれほど有効な武器はないだろうし、彼もチームの勝利のために行なったこと。
さらにカット打法は、当然のことだが千葉が初めて行なったものではなく、現在も高校野球はもちろん、NPBでも活用されている技術だ。
今回の騒動は、千葉の持つ“技術”が高校野球において、人一倍洗練されていただけなのではないだろうか。
こういった日本の野球環境に身を置き、少年時代から基本を叩き込まれ、状況判断ができる川崎と青木の打撃技術が、メジャーでしっかりと評価されているということを忘れてはならない。