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<わたしの愛する山遊び> イラストレーター鈴木みきが萌える「火口」~地球のメカニズムに思いを馳せる~
text by
君塚麗子Reiko Kimizuka
photograph byMiki Suzuki
posted2013/08/06 06:00
活動が活発な阿蘇山はガスの量や風向きで見学規制がある。
初心者でも気軽に登れてオススメなのは樽前山。
あと、阿蘇山にあるカハク(※編集部注:火山博物館)もオススメです。私たちにとってカハクはディズニーランドのような夢の国。ここは鉱物の展示もいっぱいあるんですが、珍しい石と出逢ったときのうれしさはミッキーに遭遇したときのそれとまさに一緒ですね。
百名山ではありませんが、雲仙岳の平成新山もオススメ。ここは普賢岳の噴火でできた溶岩ドームで、名前が付いている山の中では日本でいちばん新しい山です。去年の5月に登山道が開通して、その2日目に登ってきました。その辺に転がっている石はつい最近まで地球の中にあったものなんだ、と考えるだけで興奮しました。地球の内臓をこの目で見ているような気分。もうね、山を擬人化して考えちゃうんです。噴火して出てきた溶岩は、体内から溢れ出てきたものだ、と。
もうひとつ、初心者でも気軽に登れてオススメなのが樽前山。パッと見は普通の大きな山なんですが、実際に登ってみてその規模の大きさと迫力に圧倒されました。展望も抜群で火口がぽこんぽこんってたくさん見えるんです。車がないと難しいですが札幌からそんなに遠くないので、北海道旅行の際に是非足をのばしてみてほしいです。
溶岩がどろどろ流れ出ているコスタリカの活火山に興奮しちゃう!
私がそもそも山登りにハマったのは、カナダでカナディアンロッキーを見てその起伏に驚いてから。人は地平線を指して「地球は丸い」って言うけど、前々からそれは大いに疑問でした。そして、その疑問はカナディアンロッキーを見てから「やっぱり違う!」と確信に変わりました。きっと昔から潜在的に、地形とか地球のメカニズムに興味があったんだと思います。でも、それから「火口好き」を自覚するまでには約10年かかった(笑)。登山歴こそ13年ですけど、火口を語るにはまだまだひよっこです。
日本では桜島とか霧島とかに行ってみたい。海外なら中米のコスタリカとか。あっちには活火山から溶岩がどろどろ流れ出ているところがあるんです。想像しただけで興奮しちゃう。今はとりあえず「世界の火山図鑑」を寝る前に読んで妄想を膨らませています。