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シティ派ライダー達のブランド・バトルを鼻で笑う、DE ROSAのクロスバイク。 

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奥山泰広&高成浩

奥山泰広&高成浩Yasuhiro Okuyama & Seikoh Coe(POW-DER)

PROFILE

photograph byNICHINAO SHOKAI

posted2013/07/26 10:30

シティ派ライダー達のブランド・バトルを鼻で笑う、DE ROSAのクロスバイク。<Number Web> photograph by NICHINAO SHOKAI

ウーゴ・デローザの情熱と哲学が宿るフレーム。

   ジャ~ン、これが信号待ちや駐輪スペースでの“見栄はり”バトルを制する最終兵器だ。

奥山   お~っと、デローザですね。やはりイタリアン・バイクになるんですね。やっぱりスーツとか靴とかも、イタリアのモノはお洒落っスからね。

   う~む、「イタリア=お洒落」で済まして欲しくないんだけど。まぁ、これから俺が説明することを、よ~く聞いてくれ。

奥山   ヤバい、またお得意の蘊蓄が始まるのか!?

   いいから黙って聞けっつうの! イタリアを代表するフレームブランドと言えば、このデローザの他にコルナゴやビアンキが思い浮かぶけど、これらに共通するのは常にレースと関わって来たこと。デローザの生みの親であり、イタリアのフレーム職人の重鎮でもあるウーゴ・デローザは、若い頃は自転車レースの選手でもあったんだ。

奥山   ふんふん、つまり、“走り”を熟知している……と。

   そのとおり。ところが、選手として大成しなかったウーゴは、早々にフレームビルダーへと転身。小さな工房で修行を積んだ後、18歳で独立するんだ。間もなくして選手にバイクを供給するようになり、名門チームのメカニックとしても活躍し、名車を作り続けるんだ。

“魂を込めた”精緻なウーゴのフレーム作り。

金ノコ、ヤスリ、溶接トーチで美しく、戦闘力の高いバイクを作り続けてきたウーゴ・デローザ。伝説のフレーム職人は今でも工房に出向き、素材をチェックし、職人と言葉を交わすという。 

奥山   彼が作るフレームは、他とどう違うんですか?

   う~む。1960年代後半、レースのコンペティションバイクに求められたのは、高い剛性だったんだ。そこでウーゴは菱形断面のチェーンステーを発案して、フレームの剛性をアップ。また、フレーム同士が結合する部分の高剛性化にも力を入れたんだ。ここで注目しなきゃいけないのは、制作時の精度の高さだ。チューブ同士をそれこそコンマミリ単位で正確に結合させることで、優れた剛性が生まれるんだ。そしてウーゴは、そんな精度を己の感覚と経験で実現。まさに職人技!……というよりは、もはや芸術の域だね。

奥山   ははぁ、まぁ、ねぇ……コンピューターがない時代でしたからねぇ。

   バッカだなぁ。鉄パイプを切る金ノコとヤスリ、溶接のトーチ1台だけで、寸分の狂いもなく作り上げていく姿勢は、現代にも脈々と受け継がれているんだよ。例え素材が鉄からカーボンに変わろうとも、道具が金ノコから近代的なサンダーやエポキシ樹脂に変わろうとも、“魂を込めた”フレーム作りのスタンスは不変なんだ。

【次ページ】 モノ作りのスピリットが凝縮したデローザのバイク。

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