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セリエA選手会によるスト騒動は、
リーグへの良い“スパイス”か? 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2010/10/16 08:00

セリエA選手会によるスト騒動は、リーグへの良い“スパイス”か?<Number Web> photograph by AFLO

現在、セリエAの選手会長を務めるマッシモ・オッド。ACミランで右サイドバックを務める34歳

世論を敵にしても要求を貫徹した選手会の巧みな交渉術。

 結局、徹夜を含む5度の交渉を経て、最初の会見から11日後の9月21日、選手会側の要求がほぼ完全に通った形でストは回避された。

 ファンは無事開催されることに胸をなで下ろし、大幅な譲歩を余儀なくされたクラブ側も新労使協定締結に向けて、道筋をつけたことに安堵した。選手会はリーグ側から年始休暇増というおまけまで引き出すことができ、万々歳となった。ただしこれらの決定も、11月末までの交渉延長を条件にスト決行が凍結されただけで、労使問題は先送りにされたにすぎない。

 それにしても、世論の圧倒的不支持やクラブ側の猛反対を前にした選手会のネゴシエーターぶりには感嘆するほかない。選手会も自らが一般労働者と同じだとは露ほども考えていなかったはずだ。だが、それを百も承知でクラブ側と丁々発止のやり取りに挑み、利権を勝ち取った。

 矛盾をはらみつつも要求を押し通す狡猾さが評価されるのがイタリアだ。日本人には想像しにくいが、ピッチ外でのエネルギーのぶつかり合いもまた紛れもない欧州サッカーの一部であり、カンピオナートに味わいを与えるスパイスなのである。

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