Jリーグ観察記BACK NUMBER
大東Jリーグ新チェアマンへの提言。
まず初めになすべき改革はこれだ!
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byToshiya Kondo
posted2010/08/14 08:00
鹿島アントラーズ社長時代の大東和美氏。元ラグビー日本代表で、現在も日本ラグビーフットボール協会の評議員を務めている
前年のJリーグの上位8チームを「G-8」と認定する。
約2年前まで、ヨーロッパには国を越えてビッグクラブが集まった「G-14」という組織があった。2000年9月に創設され、レアル・マドリー、バルセロナ、ACミラン、インテル、マンチェスター・ユナイテッド、バイエルン、アヤックスなど、そうそうたる14クラブが顔をそろえ、クラブの利益を守るために、UEFAやFIFAに対して意見をぶつけるのが大きな目的だった。そして2008年1月、より多くのクラブが加わり、ECA(欧州クラブ協会)として再編成された。
その日本版を、作ったらどうだろう?
特定のクラブに固定すると不公平感が出るので、前年のJリーグの8位以上のチームを、「G-8」として認定する。その社長たちが集まってワーキンググループを作り、新しい改革案を出して、実行していく。
狙いは「実行委員会」の数を絞り特権化すること。
本家の「G-14」はUEFAやFIFAへの圧力団体的な存在だったが、ここで言う日本版は、もちろんそういうネガティブなものではない。「実行委員会」の数を絞り、特権化したらどうかということだ。
Jリーグの過去5年の順位を振り返ると、鹿島アントラーズ、浦和レッズ、ガンバ大阪、川崎フロンターレの4チームは、常に8位以内に入っている。仮に5年前に「G-8」を作っていたら、彼らは常にそのメンバーとなり、中心的な役割を果たしていただろう。ここ2、3年の成績を見ると、清水やFC東京も常連になるに違いない。また、8位以上とすることで、Jリーグの順位争いに新たな魅力が加わることも期待できる。
とにかく「実行委員会」の刷新なくして、Jリーグの改革はない。
大東チェアマンが、まずこの問題にメスを入れることを期待したい。