日本代表、2014年ブラジルへBACK NUMBER
ヨルダンで苦杯喫したザックジャパン。
攻守に見えた“アンマンの教訓”とは?
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2013/03/27 12:30
試合後、「僕らがもっと点を取っていれば勝てた試合だった。それに尽きます」とコメントした香川。2失点の守備陣を責めるべきか、1得点の攻撃陣を責めるべきか……。
アジアレベルで脆さを露呈した日本代表の実力とは?
本田、長友佑都の主力2人が不在とはいえ、ドーハで合宿を張って万全を期して臨んだはずの一戦だった。セットプレー対策、カウンター対策など2人の守備面での存在感が浮き彫りになるとともに、結果としていまだ修正を図れていないという事実を突きつけられた。
日本代表は、対世界ではなく、対アジアでもまだ脆さを見せてしまうレベルであることを、もう一度、肝に銘じるべきであろう。
ただ、いかなるピッチコンディションであろうとも、スピーディーなパスサッカーを発揮できたのは収穫だと言える。チャンスの数=分母とすれば、あとは、ゴール=分子をいかに増やしていくことができるか。
また「トップ下・香川」を活かすために、どう周囲がサポートしていけるか、そのカタチづくりも求められる。清武のポジションチェンジで攻撃が活性化したように、「距離の近いパートナー」がカギを握ってくるようにも思う。
残り2試合で勝ち点1で良いとは言うが……。
ここでW杯出場を決めておけば、6月のオーストラリア、イラク戦は“消化試合”として対世界に向けた準備を前倒しで進められていた。それが出来なくなったというよりも、まだアジア最終予選のシビアな戦いのなかで克服すべき問題があるということを認識しなければいけない――。
残り2試合で勝ち点1で良いと言うが、もう後のないオーストラリア、そして強豪イラクとの試合が簡単に済むはずもない。引き分けでもいい、ではなく、課題を克服しながら勝利に執着しなければならない。
決めるときに決める、勝利に執着する、失敗は繰り返さない。
“アンマンの教訓”は、きっと今後のザックジャパンのチームづくりに活きてくると信じている。