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阪神はこうすれば強くなる!!
OPSで考える、猛虎打線の理想形。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2010/06/01 10:30
まだまだ余地のある阪神打線の組み替え効果。
ただ、1、2番については工夫の余地がある。平野は打率のわりに出塁率が低いのだ。これは平野が四球を選ばないタイプの打者だからだ。これまでの四球は8個。リーグトップの和田(中日)が四球を39個選んでいることを考えると、いかに少ないかが分かる。
実は阪神の四球の数は124個。ヤクルトの119個についで四球の数が少ないチームだ。これは真弓監督が選手に対して自由に打たせている証拠だろう。リーグトップの中日が173個だから、かなりの違いがある。
それならば四球の数が多い、鳥谷を1番や2番に持っていく方法もある(指の怪我の回復具合が気にかかるが)。その方が中軸に向けて打線がうまく機能する方法もあるのではないか。また、OPSが.800を超えている桜井を2番に持っていくのも面白いかもしれない。
私にとって驚きなのは、これまで不完全な打線を組んできたとしか思えない阪神が交流戦では負け越しているものの、セ・リーグでは中日と並び2位争いを繰り広げていることだ。
もっと早く打線を組み替えていれば、勝敗が入れ替わり、ひょっとして巨人により肉薄していたのでは――そんなことさえ思ってしまう。
もちろんOPSは万能ではない。しかし打線を批評するひとつの手がかりには確実になるのである。