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松井稼頭央、突然解雇の真相。
開幕の好調ぶりは何故消えたのか? 

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菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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posted2010/05/30 08:00

松井稼頭央、突然解雇の真相。開幕の好調ぶりは何故消えたのか?<Number Web> photograph by AFLO

移籍先のロッキーズには2006~07年にも所属。'07年に打率2割8分8厘、32盗塁でチームのワールドシリーズ進出に貢献した。「僕に2度目のチャンスを与えてくれて感謝している。できるだけ早くメジャーに上がってチームの勝利に貢献するのが目標です」とコメントした

理由もなく正二塁手を外され、監督への不信感が募る。

 松井の先発機会はケッピンジャーが休養で欠場するか、ショートに回った時だけ。その起用法は控え選手に対するものでしかなかったが、監督は「誰が正二塁手かというラベルを貼りたくはない。これからも二遊間は3人で回していくつもりだし3人ともチームにとって大切な存在だ」と繰り返した。

 改めて述べる必要もなく、元々結果を残せずに正二塁手を外されたのではない。

 本人に前触れすらないまま突然、先発から外されてしまったのだ。もちろん松井にとって初めての経験だった。しかも監督はメディアの前で毎日松井と話をしていると公言していたが、実際は時折声をかけられるだけ。起用法についての説明すら受けたことがなかった。コーチから先発から外れるのを知らされる度、松井がどんな心境でそれを受け止めていたのか、容易に想像できるだろう。

試合に出られない日々に、やがて打撃もくすぶり始めた。

 結果は出ていなかったものの、4月中旬ぐらいまで打撃自体は「そんなに悪くはないけど……」という状態だった。先発できなくても試合中は室内ケージにこもってバットを振り続けたが、試合から遠ざかることで徐々に自分本来の打撃を見つけ出せなくなっていた。

 解雇直前にベリー打撃コーチが説明してくれた内容が、松井の状況を端的に表現するものだった。

「技術的に大きな問題はない。今まで毎日試合でプレーしてきたが、今年は出場機会が制限され、その役割に順応できていないのだと思う。また練習熱心過ぎる真面目さが、結果が出ないことで自分を追い込んでしまっているようだ」

 監督は現場の采配権を握っているが、その人事権はGMに委ねられている。解雇を決めた試合前もGMは松井を擁護する発言をしていたのだが、結局は、今後どう転んでも松井が現状のままではチーム内で機能しないと結論づけたのだろう。

【次ページ】 松井稼頭央の解雇劇の評価は、今後のプレーで決まる。

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