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<五輪シンデレラガール対談> 岩崎恭子×柴田亜衣 「五輪と、金メダルと、人生と」 

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photograph byMiki Fukano

posted2012/07/27 06:01

<五輪シンデレラガール対談> 岩崎恭子×柴田亜衣 「五輪と、金メダルと、人生と」<Number Web> photograph by Miki Fukano

敬語を使わないどころか、機嫌が悪いとコーチを無視!?

柴田   恭子さんはコーチとの関係ってどうだったんですか?

岩崎   私の場合は小学生からずっと見てもらっているコーチだから、敬語は使わないし、機嫌が悪いと無視したりしてた(苦笑)。そういう態度をとっても大丈夫っていう甘えがあったんだと思う。

柴田   私は、なんの疑問もなく、ほんとに言われた通りに練習してました。先生は選手を速くさせるためにいろんなことを考えてくれるのだから、その通り練習をすればいいんだって。だから反発したことがなかったんです。

岩崎   ただ、私も「アトランタでもう一度オリンピックに出場したい」って思ったときからは、子ども的な接し方はやめて、きちんと話をできる関係になっていったよ。やっぱりコーチとの関係を軽んじている選手は、どこかで伸びなくなる気がする。

柴田   コーチと選手は巡り合わせですよね。信頼できる人に教えてもらったという意味で、私は運がすごくよかったんじゃないかなと思います。「もし、この先生だったらちょっと厳しいな」と思う先生もやっぱりいたので。

2度目の五輪に臨むにあたって、のしかかった重圧。

岩崎   それ、わかる。でも、先生と一緒にベストを更新できても、北京の本番が近づいてくると大変だったでしょ?

柴田   私、北京の年は「金メダリストなんだからオリンピックには行って当たり前だろう」と思われるのが苦しかったです。それと、どうがんばっても体の調子がうまく合わなかった。そこからいろんなものが崩れていって。やっぱり心技体っていうのは、全部そろってないといけないんだな、と実感しました。

岩崎   時間が経って、年齢を重ねれば、「周囲の視線なんて気にする必要なかった」と思えるけど、その時点ではいっぱいいっぱいなんだよね。

柴田   とにかく行かなきゃいけないって、勝手に自分で自分を追いつめてしまった。北京の前に調子が上がらないのに、「日本新出します」とか、自分で自分にプレッシャーをかけるようなことを言っていたんです。調子が悪いと言ったら、その時点で負けのような気がして。虚勢を張って、自分にプレッシャーをかけて、さらに調子を落とすという悪循環でしたね(北京では800m自由形予選落ち)。

岩崎   1度目は変に考え込まずに自分のタイムのことだけに集中できたのに、2度目はそう単純にはいかない。私はアトランタに出たときには、4年前に出したタイムがもう幻のような記録になってた。だから、「私の今の実力はこれなんだ。変に高いところを追い求めるのはやめよう」と思ったの。とにかくオリンピックに出場すること、今の力を出し切ることだけを考えた。結果に失望はしなかったけど、やっぱり負けは負け(100m・200m平泳ぎ予選落ち)。でも、その4年間というか、実質2年間、すごく水泳に向き合って、自分でいろんなことを考えて前向きに行動できたから、泳ぎ終わった後は「よくやったな」って思えた。

金メダルを獲ったがゆえに抱えた悩み、日本人女子金メダリストの共通点、そして試合直後の“決め台詞”について……。最後に2人は、ロンドン五輪に挑むアスリートに向けて、彼女たちにしか言えないエールを送った――。
つづきは、雑誌「Number」808号、もしくはNumberモバイルでお読みください。
<ロンドン五輪総力特集>やまとなでしこロンドンに咲け。
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