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ビジャレアル、まさかの降格。
リーガの優等生を襲った悲劇とは。 

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工藤拓

工藤拓Taku Kudo

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photograph byMARCA MEDIA/AFLO

posted2012/05/17 10:31

ビジャレアル、まさかの降格。リーガの優等生を襲った悲劇とは。<Number Web> photograph by MARCA MEDIA/AFLO

降格が決まり、スタジアムの外で打ちひしがれるビジャレアルサポーター。

シーズン中に2度も監督を替えるほどの迷走。

 だがロイグら執行部は、降格圏と同勝点の17位まで順位を落とした12月末の時点でガリードの解任を決断。後任には1年前のガリード就任時と同じく、それまでBチームを指揮していたホセ・フランシスコ・モリーナを昇格させたのだが、これがうまくいかなかった。

 結局モリーナはその後の11試合で3勝3分5敗と結果を出せず、僅か3カ月後の3月中旬に解任され、過去に何度も同様の状況でチームを残留に導いた経験を持つミゲル・アンヘル・ロティーナが今季3人目の監督として招へいされた。

 この決定に選手達は戸惑った。

 2度目の監督交代はもちろん、リスク回避を重視する守備的なスタイルで知られるロティーナは、ビジャレアルのプレー哲学とは正反対のタイプだったからだ。就任初日の練習を終えた後、主将のマルコス・セナは言っていた。

「驚いたよ。2度も監督を替えるなんて普通じゃない。でも僕らはクラブの決定を受け入れるしかない。残り少ない期間で監督の要求を全て理解するのは難しいけど、少しずつやっていくしかない」

最終節まで一度も降格圏に落ちることはなかったのだが……。

 その後ロティーナは右サイドバックのアンヘル・ロペスをボランチで起用したり、3ボランチで中盤の守備力を高めたりと独自色を出した采配で立て直しを図るが、結局はモリーナと同じ11試合を率いて3勝5分3敗という結果しか残せなかった。

 それでもチームは21節バルセロナ戦を最後に、最終節まで一度も降格圏に落ちることはなかった。それも、後半ロスタイムが2分を迎えるところまで。

 だが、それがサッカーである。

 試合終了から1時間半が経過した頃、憔悴しきった様子でとぼとぼとミックスゾーンに現れたセナは言った。

「キャリアの中で最も辛い瞬間だよ。今まで降格に苦しんだことなどなかったから。こんな経験はしたくなかった。でも、現実を直視しなければならない」

【次ページ】 模範的な経営……右肩上がりの成長を続けてきた12年。

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