スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
ビジャレアル、まさかの降格。
リーガの優等生を襲った悲劇とは。
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph byMARCA MEDIA/AFLO
posted2012/05/17 10:31
降格が決まり、スタジアムの外で打ちひしがれるビジャレアルサポーター。
「この降格はビジャレアル再生の糧となる」
クラブは来季、そのBチームから8選手をトップに引き上げる予定だという。監督もロティーナは続投せず、今季途中よりモリーナの後任としてBチームを率いてきたフリオ・ベラスケス監督の昇格が濃厚だと言われている。幸い彼らはこれまで2部で戦ってきただけに、来季はその経験が生きることになるかもしれない。
試合直後、その翌日と発言を拒んできたロイグは、2日経った15日になってようやく口を開いた。
「犯してしまった大きな失敗は、そこから何かを学びとり、さらなる強さを身につけるための糧としなければならない。クラブ財政の再構築はいずれやるべきことだった。その時が今に早まっただけのことだ。この降格はビジャレアル再生の糧となる。とても厳しい1年になるだろう。だが我々は1部復帰を目指して戦う」
ロイグの言葉通りにこの試練を乗り越えた時、ビジャレアルはクラブ経営の模範として、今まで以上のリスペクトを勝ち取ることになるかもしれない。