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<日本人監督の海外挑戦> 岡田武史が中国で見る夢。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byYasuyuki Kurose
posted2012/03/16 06:00
南アW杯で日本中を熱狂させた指揮官が中国のプロリーグに渡った。
日本人監督が海外のプロチームを率いる、極めて珍しい例だ。
中国独特の問題に直面しながら、岡田武史は自らのスタイルを貫く。
日本人監督が海外のプロチームを率いる、極めて珍しい例だ。
中国独特の問題に直面しながら、岡田武史は自らのスタイルを貫く。
強化のノウハウはニッポンに学べ――。
日本サッカーはJリーグが始まった1993年を境に急速な発展を遂げ、今やアジアをリードする立場に変わった。
昨年10月、その日本に倣おうと中国から視察団が訪れた。中国サッカーは代表チームの低迷が続き、国内リーグも八百長問題で人気が急落。再建を図るために国家が前面に出てきた。中国国家体育総局の蔡振華副局長は「中国と日本の差を素直に認めて何をやるべきか考えたい」と“日本流”の輸入を宣言した。
日本サッカーに熱い視線が向けられるなか、南アフリカW杯で日本をベスト16に導いた岡田武史が中国スーパーリーグの中堅「杭州緑城」の監督に就任した。海外プロリーグで指揮を執るという新たな挑戦に打って出た。
W杯に2度出場し、Jリーグを2連覇するなど最も実績のある日本人指揮官の招聘は、中国国内でも大きな反響を呼んだ。
だが中国には戦争によって根強い反日感情も残る。日本とは文化や思想教育も違う。ここで成功を掴むのは並大抵のことではない。それでも岡田は迷うことなくイバラの道を選んだ。彼は中国サッカーに何をもたらそうとしているのか――。
「まずは体幹の別バージョンやります! 1時間ぐらい練習やって若い人たちは残ってシュート練習やるからな。よし、行こう!」