NumberEYESBACK NUMBER
首脳陣の迷走によって
苦境に立つ男子バレー。
~ロンドン五輪への厳しい道程~
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byAFLO
posted2012/01/07 08:00
全日本を率いて7年の植田監督。世界最終予選までに変革できるか
12月4日に閉幕したワールドカップバレーボール2011。全日本男子は2勝9敗の全12チーム中10位、'99年と並ぶ過去最低の順位で大会を終えた。2012年6月に開催される世界最終予選でロンドン五輪の出場権をねらうが、このままでは極めて厳しい戦いが待っているだろう。
しかし、今大会の2勝9敗という成績が本当に全日本男子の実力なのだろうか。全日本男子は'11年8月、約3週間をかけて南米で合宿と練習試合を行なった。その直後、対戦したブラジルとアルゼンチンの戦いぶりに触発された植田辰哉監督は突然、「攻撃をより高速化すること」を打ち出す。セッターの手をボールが離れてから、アタッカーが打つまでの時間を、世界でも例のない0.7~0.8秒に設定し、コンビネーションの練習に多くの時間を費やした。