杉山茂樹のサッカー道場BACK NUMBER
CLの対戦相手から読み解ける、
CSKA本田圭佑の次の移籍先。
text by
杉山茂樹Shigeki Sugiyama
photograph byTakuya Sugiyama
posted2010/03/23 10:30
1ゴール1アシストの活躍を見せた本田圭佑。CSKAモスクワをCL8強へと導いた
その選手の実力を最も知るチームは実際の対戦相手だ!
セビージャはスペインの3番手。欧州のトップ10からは外れるが、12、13番は堅いチームだ。もし本田のすごさをどこよりも実感しているに違いないとの僕の読みが当たっていれば、セビージャには15億円もべらぼうに高い金額には見えないだろう。
CLやUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)を見ていると、大きなクラブが対戦チームの選手を引き抜くケースが多いことに気づく。
たとえば、ズラタン・イブラヒモビッチがインテルに移籍したのも、CLのインテル対アヤックスの一戦で、彼がインテルのディフェンスをきりきり舞いさせたことに大きな関係がある。
PSVに所属していたロナウドやロマーリオがバルサに移籍したのも、UEFAカップで直接対戦した際に、彼らが活躍したからだ。
現在、バルサに所属するダニエウ・アウベスも、セビージャ対バルサのUEFAスーパーカップ決勝で抜群のオーバーラップを披露し、MVPの活躍をしている。
本田は欧州トップ10のチームでも通用するだろうか?
対戦した相手チームに翌シーズン移籍するパターンは実際、枚挙にいとまがない。選手の個性、力量、チームにはまるかはまらないかは、対戦を通して確認するのが一番。ハズレの確率は低い。監督もファンもフロントも納得した上で獲得することができる。
とくにビッグクラブは、活躍した相手チームの選手に注目している。セビージャにとって本田は、まさに二重丸の選手になる。問題はポジションに空きがあるかということと、移籍金だ。
準々決勝は、本田の次の移籍先はどこかという視点で眺めても面白い。
活躍すればするほど、対戦チームからの評価は上がる。うちのチームでやれるという話になる。これまで存在を知られていない選手にとっては、これほどアピールになる機会はない。
本田はセビージャの度肝を抜くことはできた。
欧州のトップ15のクラブでやれる力があることは証明した。
では、トップ10のクラブではどうなのか? 準々決勝の大きな見所のひとつと言っていいだろう。