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「ダルビッシュ2世」も続々登場!?
名物背番号と「○○2世」を考察する。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byHideki Sugiyama
posted2011/07/29 10:30
今シーズン前半戦を終えた時点で、驚異の13勝を挙げているダルビッシュ有(日ハム)。日本球界を代表する存在となった彼に続く長身投手は現れるか?
プロ野球の背番号は選手のイメージに直結する。エースナンバー「18」を背負えば、実績のあるなしに関わらず将来のエース候補なんだと理解される。中には、大きい数字でも由緒のある背番号がある。「34」もその1つで、日本球界唯一の400勝投手、金田正一(元国鉄など)にあやかろうと、その背番号「34」をつける左腕投手が金田引退後に増えた。
現在でも山田大樹(ソフトバンク)、木村雄太(千葉ロッテ)、吉川光夫(日本ハム)、山本昌(中日)、篠原貴行(横浜)と、5球団の左腕が「34」を背負っている。金田の威光は引退後40年以上たっても衰えていないということだ(巨人では「34」は永久欠番とされている)。
有名キャッチャーに目立つ背番号は「22」と「27」。
捕手がよく付ける「22」も田淵幸一(元阪神など)以降多くなった背番号で、現在も山下斐紹(ソフトバンク)、野田浩輔(西武)、里崎智也(ロッテ)、鶴岡慎也(日本ハム)、前田大輔(オリックス)と、5球団の捕手が付けている。田淵の捕手としての寿命はそれほど長くなかったが、江夏豊とバッテリーを組んだ阪神時代の華やかな印象が今も残っているのだろう。
「22」以前は「27」が捕手の背番号として定着していた。これは戦前、沢村栄治とともに巨人の黄金時代を支えた名捕手、吉原正喜の存在が大きかった(1938~41年まで)。吉原以降、巨人では楠協郎(安夫、拡応とも名乗る)、森昌彦(祇晶)が「27」を付け、他球団では伊東勤(西武)、古田敦也(ヤクルト)の「27」が有名だ。
現在の「27」も紹介すると、細川亨(ソフトバンク)、中嶋聡(日本ハム)、日高剛(オリックス)、河田寿司(楽天)、谷繁元信(中日)、市川友也(巨人)、上村和裕(広島)と7人いて、「22」以上の人気を博している。
日本球界歴代ナンバーワン捕手と言われている野村克也(元南海など)の背番号「19」が捕手の背番号として定着しなかったのは、10番台は投手の番号、という日本球界の常識が邪魔をしたからだろう。巨人・阿部慎之助の「10」はなかなかチャーミングだと思うが、常識(保守性)は破るのは難しい。