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「ダルビッシュ2世」も続々登場!?
名物背番号と「○○2世」を考察する。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byHideki Sugiyama

posted2011/07/29 10:30

「ダルビッシュ2世」も続々登場!?名物背番号と「○○2世」を考察する。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

今シーズン前半戦を終えた時点で、驚異の13勝を挙げているダルビッシュ有(日ハム)。日本球界を代表する存在となった彼に続く長身投手は現れるか?

横浜高出身の本格派右腕につけられる「松坂2世」の異名。

 背番号とは別に「○○2世」の異名もよく聞く。たとえば、'98年以降の横浜高校出身の本格派右腕の多くは「松坂(大輔・レッドソックス)2世」の異名が付く。完成度の高さでは松坂に負けていなかった涌井秀章(西武)でも、「松坂そっくりのフォーム」と専門誌に書かれていた。それほど「横浜=松坂」のイメージは強烈だった。

 昨年は「唐川2世」も現れた。夏の選手権(甲子園大会)準決勝に進出した中川諒(JX-ENEOS)だ。成田高校では唐川侑己(ロッテ)の後輩に当たることからこの異名が付いたのだが、投げ方がまったく違う。中川はスリークォーターで唐川はオーバースロー。こういう違いを無視して「○○2世」と書くのは、ファンだけでなく、投げている球児にも勘違いを起こさせるのでやめたほうがいい。

「ダルビッシュ2世」が幅を利かせるには時間が必要?

 今年になって目立つのが「ダルビッシュ2世」だ。ダルビッシュ有(日本ハム)の出身校、東北高校に関係なく「ダルビッシュ2世」の異名がつくのは、松坂や唐川にない目印がダルビッシュにあるからだ。その目印とは196cmの「長身」。

 現在、プロ野球界で190cm以上ある投手は次の15人しかいない(外国人選手は除く)。

 南貴樹(ソフトバンク)、岩崎哲也(西武)、橋本健太郎、木村雄太、那須野巧、藤谷周平(ロッテ)、矢貫俊之、ダース・ローマシュ匡(日本ハム)、岩隈久志、片山博視(楽天)、長峰昌司(中日)、笠原将生(巨人)、梅津智弘(広島)、雄虎、阿斗里(横浜)。

 各球団に1人強いるだけの希少種である。'70年代のはじめ、ある専門誌は「180cm以上の選手はプロ野球選手としては大きすぎる」というOBのコメントを紹介したことがある。「王、長嶋、堀内、江夏を見ろ、180cm以下じゃないか」と書かれていた。しかし、長身の金田正一、杉下茂(元中日)のことはどう説明すればいいのだろう。「天才」「例外」の2文字で済ましたのだろうか。

「180cm以上~」という話は、今は「190cm以上ある投手は大成しない」という言葉になって残っている。「前で紹介した15人の中でも、成功しているのは岩隈だけじゃないか」そんな声が聞こえてきそうだが、190cm以上ある投手が増えてきたのは最近のこと。プロ野球界で幅を利かすためにはまだ時間を要すると思う。

【次ページ】 アマチュア球界にも「ダルビッシュ2世」が増えている。

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