甲子園の風BACK NUMBER
充実の九州・沖縄地区で躍動する、
「超高校級」の逸材たち。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2011/07/20 10:30
九州国際大付(福岡)の捕手・高城俊人。春の選抜大会決勝では東海大相模に1-6で敗れたが、大会打率.632の数字を残した打撃力に加え、超高校級の強肩を誇る
激戦区・沖縄からは糸満が念願の甲子園初出場。
実績で鹿児島を上回るのが沖縄だ。'06年以降、選抜で沖縄尚学('08年)、興南('10年)、選手権で興南('10年)が優勝を飾り、春・夏合わせて24勝7敗、勝率.774は圧倒的に他の都道府県を引き離している。
強い沖縄を象徴するのが沖縄尚学、興南、さらに甲子園での活躍が目立つ浦添商だが、今夏は浦添商が3回戦、沖縄尚学と興南が準決勝で敗れ、決勝を争ったのは選手権に2度出場して未勝利の中部商と、甲子園大会未出場の糸満だった。
糸満は昨年が宮國椋丞(投手・巨人)、島袋陽平(捕手・国士舘大)という屈指のバッテリーがいたが、決勝を争ったのが結果的に甲子園大会の春・夏連覇を達成した興南だった。この不運を引きずったのか昨年秋の沖縄大会は2回戦で敗退したが、今春は優勝を飾り、さらに夏の大会も5試合を勝ち上がり、念願の甲子園切符を手にした。
昨年のような全国的に名前が鳴り響いたスター選手はいないが、エース山城翼を中心としたディフェンス陣は5試合を失点9で抑えているように手堅い。甲子園でその雄姿を是非見届けてほしい。