スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
曲がり屋の監督と曲がり屋の協会。
~サッカー協会の「リスク」って?~
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byToshiya Kondo
posted2010/02/16 14:10
14日の韓国戦も1-3と惨敗し、東アジア選手権3位に終わった岡田ジャパン。W杯ベスト4の目標は掲げたままだが
日本サッカーに少しでも縁のある新監督を望む。
いや、そうではあるまい。われわれ観客が代表に求めるものは、一にかかって「面白いサッカー」だ。少なくとも私は、選手たちの勇気と繊細さを見たい。日本で一番サッカーが巧いはずの若者たちが、沈着で果敢で大胆なプレーを見せてくれることを願っている。
だが、協会は面白いサッカーなど求めていないようだ。1998年にトゥールーズで怯えきっていた岡田武史は、12年後の2010年現在、学習の甲斐もなく、東京で顔をこわばらせたまま絶望に凍りついているように見える。もう無理だ。限界だ。手遅れだろうが、「日本サッカー」に少しでも縁のある指揮官に三拝九拝して、次期監督をお願いするしか手はないだろう。協会よ、座して死を待つくらいなら、それくらいの勇気は見せてくれ。それぞれに弱点のあるストイコビッチやブッフバルトでも、岡田武史よりは面白いサッカーができるはずだ。それでも引き受け手が見つからなかったら、恥を忍んでいっそトルシエに頼んでみてはどうだろうか。