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石川遼と斎藤佑樹の
父母に共通する子育て論。
~「教育」から読む2人の“王子”~
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph bySports Graphic Number
posted2011/06/22 06:00
『はばたけ、佑樹』 斎藤しづ子著 小学館 1300円+税 / 『石川遼の育て方』 石川勝美著 学研 1300円+税
母や祖母の存在が「息抜き役」として機能する両家。
いっぽうで、家庭内に「息抜き役」が存在する点も共通している。石川家では母親が「ゴルフばかりじゃなく、いろんな世界があるんだから」という視点で見守っていた。加えて同居する祖母の「ところで遼、その球は(カップに)入ったの?」といったホンワカ質問が、食卓のシビアなゴルフ談義を和らげることもしばしばあった。斎藤家では「母はつなぎ役」。男家族3人の調整係を担っている。
最後にもうひとつ。両家庭ともに父が熱血型ながら「子どもの意見を否定しない」という教育を施している。
「自分の意見をきちんと聞いてくれる親がいることの安心感。はなから否定されるのではなく、同調し、その上で大人としての考えを話して聞かせてもらえることの自己存在意義」(石川家)
「お父さんは、佑樹が打たれた場面でも、『あそこは、こうしなければダメじゃないか』というような叱り方をしたことはありません。いつでも、『あの場面では、なぜあそこに投げた?』と聞き、佑樹が自分の意見を言うまで待っていました」(斎藤家)
2つの子育て論を読んだ後、「ゆとり世代」を一くくりにするのはやめた。