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NBAスカウトが語る「NBAでプレーする条件」 

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小尾慶一

小尾慶一Keiichi Obi

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posted2006/05/08 00:00

 8月の世界選手権にやって来るのは、各国の代表チームだけではない。彼らのプレーを見るべく、NBAのスカウトも来日する。

 では、スカウトという人種は、どのような視点でゲーム──特に、日本人選手──を見ているのだろう。クリーブランド・キャバリアーズ(以下キャブス)のアジア担当スカウト、ロバート・ピアースは、かつて日本代表チームのアシスタントコーチを務めたこともあり、日本のバスケットに精通している。話を聞くには、ぴったりの人物だ。

──まず、アジアの現状について。キャブスには、アジア専門の正規スカウトがいません。あなたもコーチ業の傍らスカウティングしている。それはなぜでしょうか。

 確かに、公式には、私のステータスは“コンサルタント(ここでは、外部スタッフの意)”だ。残念ながら、アジア専門のスカウトを正式に雇っているチームはほとんどない。現状では、そこまで徹底的にアジアのバスケットを追う必要がないんだ。数年後にはわからないよ。市場は成長しているし、NBAポテンシャルを持つ選手も増えているから。

──各チームには、スカウトが何人いますか。

 チームによって違う。ほとんどのチームには、「ゲームスカウト」「カレッジスカウト」がそれぞれ2、3名、それから「国際スカウト」が数人。ゲームスカウトは、NBAの他チームを偵察してレポートを出す。カレッジスカウトは、ドラフト用に大学生の試合を専門で見ている。それから、国際スカウト。外国人選手が増加しているため、ほとんどのチームがフルタイムの国際スカウトを雇っている。ただ、もちろん、数人で世界全体をカバーすることはできない。そのために、私のようなスカウトがいるわけだ。だが、チームによって状況は全然違う。たとえば、ロースターの半数近くが外国人のスパーズ。彼らは国際スカウトに積極的だ。一方、ヒートには外国人選手が全くいない。

──キャブスには、他にアジア担当スカウトはいますか。

 ひとり、中国にいる。その人はテレビ局で働いていて、フルタイムの仕事は、NBA番組のコメンタリーだ。全体的に、キャブスには経験豊かなスタッフがそろっていると思うよ。特に、王者スパーズから呼び寄せたふたり、GMのダニー・フェリーとアシスタントGMのランス・ブランクス。それから、ブレイザーズから来た、国際スカウト部長のチコ・アワーバックも非常に優秀だ。キャブスは、アメリカ人と外国人をミックスすることの重要性を理解している。スパーズがそうしたチーム作りの手本を示してくれた。

──仕事の詳細を聞かせてください。

 通常は、毎月1回、レポートを提出する。韓国や中国、日本のレポートだ。リーグ全体、各チーム、そして個々の選手の状況を伝える。それから、もうひとつ重要なのが、海外でプレーしているアメリカ人選手を追うこと。

──昨季JBLでMVPを受賞した、ドロン・パーキンズのような選手ですね(*パーキンズはNBAのサマーリーグに参加予定)。

 そう。それから、田臥勇太のような、マイナーリーグでプレーしたアジア人選手もフォローしている。NBDLで2年間プレーして、その後、韓国に戻った某選手を注意して追っているよ。それから、若い世代の代表チームが出場する大会も見ている。

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