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NBAスカウトが語る「NBAでプレーする条件」 

text by

小尾慶一

小尾慶一Keiichi Obi

PROFILE

posted2006/05/08 00:00

──ヤングメンなど、若い世代の大会の方を重視している?

 スカウトとしては、確かにそうだね。でも、世界選手権は他国のレベルを知る上で重要だ。国際大会で好成績をあげたお陰で、より多くのスペイン人選手がドラフトされるようになった。アルゼンチンもそうだ。代表チームが好成績をあげれば、その国の選手への注目度は高まる。その点で、世界選手権は重要だと思う。

──最後に、スカウティングの面白さと難しさを聞かせてください。コーチ業との狭間で、ジレンマを感じることはありますか?

 あるね。コーチとスカウトは全然違うから。スカウトをしている時は、批判的にならざるを得ない。コーチのときは、選手に対して家族や友人として接する。選手のプレーレベルは関係ない。共に闘う仲間さ。だから、どちらかというとコーチングの方が好きだね。将来は、NBAのアシスタントコーチになる道も考えている。でも、一方で、ひとつの職場に縛られず、世界中のバスケットを見てまわりたいという思いもある。だから、スカウトとコーチを同時にできる今が、理想的な状態なのかもしれないね。

Robert Pierce(ロバート・ピアース)

1960年8月1日生まれ。米国オレゴン州ポートランド出身。97年から4年間、日本リーグ/JBLでコーチを務める。その後、NBAサマーリーグ、CBA、日本代表、クラブチームなどでコーチを続け、その傍ら、ポートランド・トレイルブレイザーズでアマチュアスカウトとして経験を積んだ。昨年から、キャバリアーズのアジア担当スカウトに。USBAのコーチングスタッフにも名を連ねている。

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