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<100人が語るRUN!特集> 村上春樹へのQ&A 「そうだ、ランナー村上さんに聞いてみよう」 (4) 

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村上春樹

村上春樹Haruki Murakami

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photograph byMizumaru Anzai

posted2011/04/07 06:00

<100人が語るRUN!特集> 村上春樹へのQ&A 「そうだ、ランナー村上さんに聞いてみよう」 (4)<Number Web> photograph by Mizumaru Anzai

オレゴンのナイキ本社にある幸せなジョギングコース。

Q.26 レースの応募が始まって数日で枠が埋まってしまったり、東京マラソンは抽選倍率が10倍だとか、「レースに出たくても出られない」ということがあります。春樹さんはアメリカでもレースに出てきて、日本の状況をどう思いますか。 (30代・男性)

 日本のレース環境はよくないですね。これは何とかして変えなきゃいけないと思う。だいたい何カ月も前に申し込めなんてむちゃくちゃな話だよね。それから、みんなビッグ・レースに目が行っちゃうけど、もっと草の根レースを大事にするというか、自分たちの手作りレースを考えてもいいんじゃないかな。

 アメリカに住んでいると、毎週のようにそのへんでレースがあるんですよ。地元のクラブやコミュニティが主催していて、出場者も200人とかそれぐらい。そういう身近なレースが日本ではあまりないですね。きっと警察や役所の許可をとるのが大変なんでしょうね。でも、これだけ走る人が増えたら、もっと身近にそういうレースがたくさんあるべきだと思う。5kmや10kmでもレースを走る満足感はちゃんと得られるんだから。

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 たとえば、今日はよく晴れて気持ちがいいから走ろうと思って、ジョギングシューズを履いて走り出したら、たまたま近所でレースをやっていたからそこに飛び入り参加して──みたいなのも楽しいと思うんですよね。皇居は難しいにしても、荒川とか、多摩川ならわりに簡単に許可もとれるんじゃないかな。そういうところで週一くらいの飛び入り可の常設レースがあるといいなと思います。

 あと、僕がもうひとつ提案したいのはランニング専用サーキットをどこかに作ること。森の中に1周5kmぐらいのクロスカントリーコースがあって、入場料を払えば好きなだけ走れて、宿舎もついている、そんな施設があってもいいんじゃないかな。

 前にオレゴンのナイキ本社に行ったら、ものすごく広い敷地の中に3.5kmぐらいのジョギングコースがあるんですよ。そこを走らせてもらったんだけど、森や丘陵があって、地面にはおがくずが敷き詰められていて、ものすごく気持ちよかった。途中にちゃんとしたトラックもあってね。こんな幸せなことはないなと思った。有料でいいから、そういうコースを日本でもどこかに作ってほしいですね。昔はそんなこと夢のまた夢だったけど、今だったら需要もあるだろうし、実現できるんじゃないかな。

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