サハラマラソン挑戦記BACK NUMBER

東日本大震災で物資は無いが……。
いざ行かん、サハラマラソンへ! 

text by

松山貴史

松山貴史Takashi Matsuyama

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photograph byMiki Fukano

posted2011/04/01 06:00

東日本大震災で物資は無いが……。いざ行かん、サハラマラソンへ!<Number Web> photograph by Miki Fukano

荷造り中に荷物が散乱した寮の部屋で

 地震から10日が経った。それでもぼくは走る。放射能云々といわれても走る。

 だが、地震の影響は思ったよりも広域にわたっており、自分に直接関わるミクロな問題のうちでは、「アルファ米」が日本から消えた。

 アルファ米は砂漠ランナー必携の商品で、水を注ぐだけでご飯ができるという素晴らしい商品だ。これが手に入らないのは非常に辛い。

 アルファ米だけでなく、固形燃料も品薄らしい。現地では食料を調理する必要があるのだが、完全にお手上げ状態である。先人達の知恵をお借りしようと思い、砂漠ランナーたちのメーリングリストで対応策を尋ねてみた。するとさすがは砂漠ランナー、こんなメッセージを送ってくれた。

「アルファ米なんか無くても全然問題ありません。そもそもサハラマラソンは物に溢れた便利で豊かな日常生活を離れて不便な生活を楽しみながら、大自然の中を走るレースです。一週間ナッツとドライフルーツだけで生活するもよし、エナジー・バーとジェルだけで生活するもよし、不便な生活を大いに楽しみましょう。薪を集めて焚火をして料理をしたければ、素麺とドライ・トマトを煮込んで塩コショウで味付けしたものがオススメ。砂漠の中で食べれば何でもおいしく感じるのでアルファ米が無いことなんか気にする必要はないです。日本で不足しているものをわざわざ砂漠に持ち込んで走っても面白くないのではないでしょうか」

 どうやら自分も色々なことを悲観してしまっており、一番重要な「楽しむ」ことを忘れていたみたいだ。さすがは困ったときの先達の方々。大分気が楽になった。

 アルファ米に関しては手に入るぶんは手配し、あとはお菓子や麺類で代用することにした。アルファ米は数が限られているので試食会も開けないので、ぶっつけ本番で臨むしかない。

 また、ここ最近は基本的に寮の部屋でも寝袋で生活しており睡眠の心配はない。だが、暑さ対策、日焼け対策を全く行っていないことに気づいた。

サハラの過酷な日差し対策は、日焼けサロン!?

 ここで少し話がそれるが、サハラマラソンの恩恵で、マガジンハウス『POPEYE』の35周年スタッフ(モデル/ライター)をやることになった。その紹介文では、他の人が「ファッションが云々」「ライターが云々」と綴っている中、自分だけが「今年サハラマラソンを走る松山貴史です」と、完全にイロモノ扱い。しかし、これによってサハラマラソンの知名度が上がるなら大歓迎だ。

 その『POPEYE』5月号ではUV男子特集が組まれていた。これはチャンスと思い、「日焼け止めモニターになりたい」と申し出ると、強烈な紫外線下でのサンプルデータが欲しかったのか、資生堂から「ANESSA」という日焼け防止化粧品をいただけることになった。言ってみるもんだ。資生堂とPOPEYE編集部の皆様、本当にありがとうございました。

 日焼け止めも無事に手に入り、日焼けに関しては大丈夫だろうとも思ったが、いきなりこの寒い日本から灼熱のモロッコに行くのは厳しいものがある。ただでさえ僕は色が白いほうだ。そこで段階を踏んで日焼けをするため、そして暑さに慣れるために日焼けサロンに行ってみることにした。

【次ページ】 日焼けサロンで、パンツを脱ぐべきかどうか迷う。

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