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<100人が語るRUN!特集> 村上春樹へのQ&A 「そうだ、ランナー村上さんに聞いてみよう」 (2)
text by
村上春樹Haruki Murakami
photograph byMizumaru Anzai
posted2011/03/24 06:00
ラン歴30年の村上さんがWEBで募った質問・疑問に、
ときどき真面目に、ときどきおかしく答えてくれました。
「Number Do」の第2弾「100人が語るRUN!」に掲載されたQ&A。
Number Webでは4回にわけて公開していきます。
Q.1~Q.9 Q.10~Q.16 Q.17~Q.22 Q.23~Q.26
Q.10 小学1年生の子供と朝ランニングをしています。子供が学校のマラソン大会で速く走りたいと言ったので、練習しているのですが、ただ走るだけでイイのかな~と気になっています。何か注意した方が良い点はないでしょうか? (30代・男性)
アドバイスって難しいんですよね。でも、子どもって親や大人のすることをよく見ていて必ず真似をする。僕も近所を走っていると、よく子供が後ろからついてくるんだ(笑)。だから、教えるよりは親が一生懸命、にこにことやってみせるほうが早いんじゃないでしょうか。必ず真似するから。
Q.11 走らない私には全く想像がつかないんですが、ランナーズ・ハイってどんな時に訪れるんでしょうか。頭が空っぽにならないとだめでしょうか? (40代・女性)
突然気持ちよくなるんですよね。ランナーズ・ハイとは何なのかは僕にはうまく定義できないけれど、あるときハッと身体が開けるような感じがして気持ちよく走れるようになるんです。ドアが開くという感じかな。説明するのが難しいです。
Q.12 球技や短距離は得意なのですが、長距離にはあまりよいイメージが僕の中にありません。もちろんマラソンにも戦略や戦術があるだろうことは想像できるのですが、そこにどのような創造性があるのかが理解しづらいのです。村上さんはマラソンにある創造性とは何だとお考えでしょうか? (20代・男性)
創造性はないよね。ただの反復だから(笑)。でも音楽だって楽器の練習は反復じゃないですか。反復しなければ何もできない。反復自体には創造性はないけれど、反復によって創造性の土壌ができるんだと思います。
Q.13 私の悩みは、膝が弱いことで、ここ半年ほど走るのを止めて水泳をしながら回復を待っています。シューズや、準備体操に留意し、普段からストレッチングや筋力維持等に努めていらっしゃることと存じますが、春樹さんが怪我や故障なく走り続けるために特に努力されていること、または秘訣などありましたら教えてください。 (50代・女性)
ストレッチ、あまりしないんですよね。本当はしなくちゃいけないんだけど。僕の筋肉は走り始めの最初は固いんだけど、走っているうちにだんだんこなれて柔らかくなってくるんです。本当はストレッチングをすると最初からうまく動くんだろうけど、長距離の場合、途中から動いてくればいいやと思って、そのまま走りだすんです。問題は怪我をしないようにすることですが、僕の身体はなぜか怪我をしないようにできている。だからあまり参考にはならないかな。