サハラマラソン挑戦記BACK NUMBER

吹雪と雷鳴の砂丘で地獄の合宿……。
大地震の「被災地支援」も始めました。 

text by

松山貴史

松山貴史Takashi Matsuyama

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photograph byKayoko Yoshimatsu

posted2011/03/18 06:01

吹雪と雷鳴の砂丘で地獄の合宿……。大地震の「被災地支援」も始めました。<Number Web> photograph by Kayoko Yoshimatsu

鳥取砂丘をよじ登ります……砂に足がめり込みまったく進まない!!! 人間アリ地獄か!

合宿2日目。南北2.4km、東西16kmの砂丘を走り回る。

 2日目、快晴。今日は朝から意気揚々と鳥取砂丘に臨む。

 鳥取砂丘は南北2.4km、東西16kmに広がる日本最大級の砂丘である。折角なので東西往復してやろうと考えるも、案外、絶壁があったりして断念。とりあえず縦横無尽に走る。

 砂はやはり疲れる。何より前に進まない。

 そして、砂が靴の中に入る。

 実はサハラマラソンで一番厄介なのは、この靴の中に砂が入ることらしい。砂が靴の中に入ることによって、摩擦が多くなり、マメができてしまうのだ。マメができると、痛みで走れないし、歩くこともままならない。しかし、1週間で250kmも走るとほとんどの人にマメができてしまう。そのため各ビバークにあるメディカルテントの中はマメ治療のための野戦病院と化すらしい。

 とにかくこの日は約5時間で40km走り続ける。昼ごはんも行動食のスニッカーズとブラックサンダー(両方ともチョコレートバー)のみ。

 お腹が減った。

 帰りに前日の売店の方に遭遇する。前日走って帰ったことを伝えると、驚愕され、お菓子をいただく。

 次の日来ると、「もっとあげる」と餌付けされた。

靴に入り込む砂を防ぐ必須アイテム「ゲーター」の威力は……。

 砂対策をどうするか。

 少し話が脱線するが、とても重要なことなのでお許しいただきたい。実は以前から「あれは何だろう?」と謎に思っていた、サハラマラソン出場者の大半が履いているオレンジ色の靴下のようなものが、砂除けだったらしい。

 名前を「ゲーター」といい、砂漠用ゲーターは日本ではなかなか売っていないらしい。そうした状況から、日本のサハラマラソン事務局の方がヨーロッパから一括で取り寄せてくれることになった。早速履こうとしてみたが、「ビリッ……」。なんと履く前に破れてしまった。

 そこで、砂漠ランナー新年会に来ていた方が強靭なゲーターがロンドンで売っていると言っていたことを思い出し、今年一緒に出場する阿部さん、眞守君と共同で取り寄せることにした。30ポンド(約4000円)って結構高いな……と思いつつも、背に腹は代えられない。見た目がバッファローマンみたいだろうと気にしない。これを装着すれば、いよいよ外見だけは砂漠ランナーに見えてくるのではないだろうか。

 まさか砂漠ランナーの生命線とでも言うべき大事なゲーターを、この合宿に持ってくるのを……なんと忘れてしまいました。練習で本当によかったです。近々、再びどこかの砂浜に行って試走してみよう。

【次ページ】 合宿3日目。豪雪&雷の砂丘で得たサングラスの効能。

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