日本代表、2014年ブラジルへBACK NUMBER
ザッケローニにアピールできたか!?
伊野波と岩政がJで見せつけた闘志。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byToshiya Kondo
posted2011/03/11 10:30
アジアカップでは準々決勝のカタール戦で右サイドバックとして先発し、試合終了間際の後半39分に劇的な決勝ゴールを決めた伊野波
Jリーグの開幕に合わせてイタリアから来日した日本代表のザッケローニ監督は、カシマスタジアムで行なわれた鹿島アントラーズ対大宮アルディージャ戦に足を運んだ。アジアカップでの優勝に貢献した伊野波雅彦、岩政大樹の両センターバックの状態を確かめることが主要な目的だったと思われる。
3月はJリーグでの戦いが始まると同時に代表でも親善試合(25日モンテネグロ戦、29日ニュージーランド戦)が組まれ、国内組は重要な時期を迎える。アジアカップで招集した欧州組は呼ばれない可能性もあり、そうなればザッケローニ体制となって初めて国内組主体で臨む2連戦となるためだ。
レギュラー争いで熾烈を極めるのが最終ライン。
アジアカップで呼ばれた欧州組の吉田麻也、長友佑都、内田篤人、槙野智章が招集されなかったとしても、このポジションにはケガでアジアカップに参加しなかった主力クラスの離脱組が数多くいる。
センターバックには中澤佑二、田中マルクス闘莉王、それにザックジャパンの立ち上げ時にレギュラーを張った栗原勇蔵、サイドバックには駒野友一が控えている。
伊野波と岩政にとっては今がまさに勝負どころだと言える。
ザッケローニが見守る開幕戦で、前半は不本意なプレーを連発。
ザッケローニが見守る大事な開幕戦。しかしながら昨季リーグ最少失点(31失点)を誇った鹿島は立ち上がりに不安定な守備をのぞかせる。
前半11分、キム・ヨングォンのロングフィードが前線のイ・チョンスに入る際、伊野波とアレックスのどちらがチェックに行くのか曖昧となって対応が遅れてしまい、その隙を突かれて先制点を許してしまった。
フィードの出し手をチェックしなかった前線にも当然責任はあるが、イ・チョンスにうまく対応していれば防げた失点でもあった。
加えて、結果論ではあるものの、シュート体勢に入られたときに伊野波はGKに任せてイ・チョンスから離れてシュートコースを消す方法を選択するのだが、シュートそのものにプレッシャーをかける手もあったように思える。
この失点シーンもさることながら、前半の鹿島はセカンドボールを拾われるなど局面で負ける場面が目についた。