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「鎌田大地が三笘を心配そうに見つめて…」ブライトン三笘薫が異例の“取材NG”…現地記者が見た“ケガの真相”「三笘の移籍ゴシップが流れ始めた事情」
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田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images
posted2025/04/16 19:10

12日のレスター戦、ベンチ外となった三笘薫(27歳)。今季リーグ戦を初めて欠場した
しばらくすると、三笘がロッカールームから出てきた。筆者が「足は大丈夫ですか」と聞いてみると、こちらの姿を確認した三笘は無言でウンウンと頷き、そのまま言葉を発することなく通り過ぎた。
三笘は黒のトレーニングウェア姿。ズボンの下に、テーピングのようなもので右足を固定しているように見えた。足を引きずりながらも、松葉杖や医療装具などは着けておらず、自分の足でチームバスに乗り込んでいった。
試合に出場しながら、記者への取材対応がなかったのは今季3度目(※2024年10月30日のリーグ杯4回戦リバプール戦と、25年1月25日のPLエバートン戦。いずれも結果は敗戦。ただしエバートン戦はテレビ取材のみ応じた)。前節クリスタルパレス戦は、「自身の怪我」と「手痛い敗戦」で取材に応じたくなかっただろう。いずれにせよ、出場しながら取材無しという異例の試合となった。
「カカトの痛みが消えればプレー可能だ」
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この試合の2日後、ブライトンの地元記者から「ミトマは大丈夫そうか?」と連絡が入った。「打撲ではないか。重傷でないことを願っている」と答え、上記の内容を手短に伝えた。そして、試合から6日後の監督会見──。ファビアン・ヒュルツェラー監督は、三笘の状態について次のように話した。
「カオルが次戦のレスター戦に出場できるか疑わしい。練習で様子を確認する。踵の打撲で、まだ痛みがある。痛みが消えればプレー可能だ。今日の練習で見極める」
痛めた箇所が「踵」であったのは意外だった。ただその痛みが試合前日までに消えることはなく、軽い練習には参加したものの、前日の全体練習を全てはこなさなかったという。こうして、レスター戦の欠場が決まった。
今季リーグ戦での全試合出場について、三笘は「シーズン前から目標にしている。全試合できるかどうかは自分のチャレンジ」と話していたが、国内リーグ連続出場記録は31試合でストップした。
「こんなプレーをしていたら…」監督の怒り
今季は5位まで来季の欧州CL出場権を獲得できることから、5位を勝ち点6差で追いかけるブライトンとしては、降格圏に沈むレスターから絶対に勝利したいところだった。しかし、ブライトンは不甲斐ないパフォーマンスに終始。三笘の代わりに左サイドMFで先発したシモン・アディングラはシュートをことごとく外し、前半の決定的なチャンスもモノにできなかった。特に2−2で進んだ後半は、打開力のある三笘が必要な試合展開だった。痛恨の引き分け後、ヒュルツェラー監督は厳しい表情で語った。
「未熟だった。成熟さが足りなかった。試合の終盤でチームとして団結できず、それが勝利に値しなかった理由だ。勝利に値しない」