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気迫の投球とギャップありすぎ「ぽやぽや」キャラに驚き! DeNAルーキー篠木健太郎の意外な素顔…プロの洗礼を浴びるも「また成長して貢献を」
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石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2025/04/07 11:08

プロの厳しさを突きつけられはしたが、豪快なピッチングで一軍に戻ってくることを誓う
「学生時代は三振をたくさん取るタイプではなかったですし、そこにこだわりはないので、結果的に三振が取れてアウトを重ねられればと考えています。それに精度の部分でもっと高めなければいけないし、長年やっている他のピッチャーの方々から見たら、僕は勢いだけで技術的な部分はまだまだなので学ぶことが多いですね」
謙虚に、そして静かに篠木は言った。
早速浴びたプロの洗礼
4月4日の広島戦(マツダスタジアム)、篠木は2点ビハインドの6回裏、マウンドに上がったが、先頭打者のサンドロ・ファビアンにツーベースヒットを許すと、その後2四球、1死球と制球が乱れ、1アウトしか取れずマウンドを降りている。4失点。この翌日、一軍登録を抹消された。結果がすべてのプロの厳しさがそこにはあった。
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篠木は神妙な面持ちで振り返る。
「2試合経験させていただいて、自分の中でやりたいことなどははっきりとしているので、また成長した状態で、チームに貢献できるよう、日々の積み重ねをしていきたいと思います」
自分がなにをすべきなのかはわかっている。プロ生活はまだ始まったばかり。山﨑から授かった『緊張と動揺と興奮』の言葉を胸に、この道を着実に歩んでいくつもりだ。
ラミレスの一発が導いたプロへの道
篠木がプロ野球選手になりたいと思ったのは、小学生低学年のとき、東京ドームでアレックス・ラミレスのホームランを見たのがきっかけだった。
「すごいなって思ったし、お客さんも盛り上がっていて、自分もそういったいい影響を与えられる存在になりたいなって思ったんです。それからは常に生活の中心に野球がありました。親からは勉強と野球、どっちも頑張れるだけ頑張りなさいと言われてきましたが、僕としては野球に懸けられるだけ懸けたいなと思うぐらい好きで……」
そう言うと篠木は、少しピシッとした様子でつづけた。