- #1
- #2
ツバメのさえずり日誌BACK NUMBER
「軽く振ってスタンドイン」の迫力! ヤクルト村上宗隆“ラストイヤー”へ大いに語った打撃論…「今季は凄いことになるよ」師匠も太鼓判
text by

佐藤春佳Haruka Sato
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/03/09 11:04

「ラストイヤー」で米球団の行き先ばかり取り沙汰されている村上だが、実はキャンプ序盤から打撃の迫力が凄い
打球速度の数値はあまり気にしない
「数値はあまり気にしていないです。打球速度はもう、ある程度自分の中の基準はわかっていますから。それをもっともっと出そうという欲も今はないですね。あまり数値だけに囚われすぎても良くない部分がある。
もちろん数値も大事ですけど、それは自分が見るものであって、試合ではまず対戦する相手がいてそのボールを打ってナンボ。練習で190km出ました、飛距離がこれくらい出ました、って言ってもそれがヒットになるわけでもホームランになるわけでもないですからね」
戦う相手は数字ではなく、あくまで対戦する投手であり、目の前のゲームに勝利するという大目標がある。
ADVERTISEMENT
「やっぱり試合で結果を残さないと何にもならない。練習はめちゃくちゃ飛ばすけれど、試合で打てないとか、そういう選手はいっぱいいる。そうはなりたくないですから。全ては試合で打つため。そのために練習もするし、トレーニングから生活から全ての時間を過ごしている」
野球をやっていて一番好きなことを尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「ホームラン打つことも好きですし、相手に勝つことも好きですし、みんなで喜びあえることも好きですし……。たくさんあって一番はないですね。全部同じぐらい好きです」
村上が野球で一番嫌いなことは…?
一方で、野球をやっていて一番嫌いなことを尋ねると、間髪を入れず口を開いた。
「抑えられることです」
その意味で、この2年間は忸怩たる思いを味わってきたに違いない。シーズン56本塁打を放ち史上最年少の三冠王となった2022年から一転、不振に悩む時期も経験した。何よりチームが2年連続で5位に沈んだことは、責任感の強い村上にとって無念だったろう。
「悔しい思いばっかり。なんか常に悔しい思いをしているような気はしますけど……」
自ら「失敗だった」と語る2年間の雪辱を、村上はどう思い描いているのか——。
〈2回目につづく〉
