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「ノッカー、もっとちゃんと打ってよ!」田口麗斗がヤジ、「古田敦也が臨時コーチで…」つば九郎と村上宗隆不在もヤクルトキャンプは温まっていた

posted2025/02/12 11:00

 
「ノッカー、もっとちゃんと打ってよ!」田口麗斗がヤジ、「古田敦也が臨時コーチで…」つば九郎と村上宗隆不在もヤクルトキャンプは温まっていた<Number Web> photograph by Kou Hiroo

田口麗斗はヤクルトキャンプを大いに盛り上げていた

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広尾晃

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 球春到来。2月に入ってのキャンプインで各球団はどのように過ごしているか。テレビカメラに映らない風景を中心に、沖縄キャンプの様子を追う。〈NumberWebレポート〉

キャンプ序盤…姿がなかった村上、つば九郎

 沖縄の春季キャンプにはここ10年、毎年のように来ているが、こんなに寒かったのは記憶にない。2月5日の最低気温は11度。本州に帰るときに着るつもりだった、分厚いダウンジャケットを羽織ってちょうどいい感じだ。

 10時少し前、那覇市に隣接する浦添市のANA BALL PARK浦添で始動したヤクルトナインの多くは、TOKYOのロゴが入ったウィンドブレーカーを着こんでいた。日差しはあったが、風は冷たかった。

 新外国人のピーター・ランバートが、スタッフと話している。「昨日、何か食べた?」と聞かれて「しゃぶしゃぶ」とランバートは答え、「ファーストタイム、ベリーデリシャス」と言った。このくらいなら私でも聞き取れる。なお隣にいるのは、これも新外国人投手で、昨年、大谷翔平に50号本塁打を進呈したマイク・バウマンだ。

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 今春の沖縄キャンプには村上宗隆の姿がない。12月に右ひじ手術をして、リハビリ中のため、宮崎県西都市の二軍キャンプで始動した。筆者はこの二軍キャンプも何度か行ったが、高原にあるため沖縄よりはるかに寒いはずだと思いを馳せた。

 ヤクルト浦添キャンプと言えば「つば九郎」である。身体を動かす選手の間をうろうろして、ちょっかいをかける。バレンティンがいたときは、その絡みだけで観客席を沸かせたものだ。最近は村上とのやりとりも面白かったのだが、今年は姿がない。すると、なんと「休養」が発表された。今年でデビューから31年目、「中の人」のことは言ってはいけないが、チームの誰よりも年長のはずだ。大丈夫だろうかと気を使ってしまう。

「優しすぎるよ!」田口のヤジで盛り上がる投手陣

 アップが終わって、野手組は内野に移動、外野では投手陣がキャッチボールを始めた。

 今年1月に45歳になった石川雅規が、体の動きをチェックしながら丁寧にボールを投げている。

 相手は、これもベテランローテーションの小川泰弘だ。二人合わせて勝ち星は290勝にもなる。ヤクルトの至宝と言ってよいだろう。その横で、片足でバランスをとりながら投げているのが、田口麗斗だ。大谷翔平より1歳下、まだ29歳なのだが、この選手には「ベテラン」みたいな雰囲気がある。

【次ページ】 村上不在の中でアピールしていたのは…

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