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ツバメのさえずり日誌BACK NUMBER
「軽く振ってスタンドイン」の迫力! ヤクルト村上宗隆“ラストイヤー”へ大いに語った打撃論…「今季は凄いことになるよ」師匠も太鼓判
text by

佐藤春佳Haruka Sato
photograph byHideki Sugiyama
posted2025/03/09 11:04
「ラストイヤー」で米球団の行き先ばかり取り沙汰されている村上だが、実はキャンプ序盤から打撃の迫力が凄い
「下半身をしっかり使えているか、ですかね。どうしてもこの時期、お客さんも入るとホームランという結果にフォーカスされやすいので、こちらも力んで体が開くのが早くなったり、手だけで打ってしまったりする。そうならないように、しっかりと体全体を使って遠くへ飛ばせるように。力感なく、体が回転する中でコンタクトして、自然に打球が飛んでいく、ということは意識しています」
バスターからスタンドインさせる迫力
この日は、バスターのような軽いスイングからレフトスタンドへと放り込む場面すらあった。力感なく、遠くへ。まさにこれが理想形。昨年12月に右肘のクリーニング手術を受けたが、その影響など皆無のようだ。
「そうですね。下半身がしっかり使えていることはもちろん、打球方向に対して、うまく力をこう伝えていけているという証拠でもあります。バットが内側から出ているか、ヘッドが下がっていないか。力感なく飛ばせた時は、そういったところも噛み合ってるのかなと思います」
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力感なく、遠くへ。その完成形を追い求める中で、村上にとって一番大事なのは何なのだろう。スイングスピードか、バットの軌道か、はたまた打球を捉えるポイントなのか……。
振りが速くても自分のポイントで打てないと…
「タイミングじゃないですかね。どれだけ振りが速くても自分のポイントで打てなかったらダメですし、バットの軌道を大事にしても、投げてくるボールはピッチャーによって違う。ピッチャーが脚を上げて、テイクバックを取ったところで自分の中のタイミングを上手く合わせられるように。うん、やっぱりタイミングが一番大事かなと思います」
データ分析全盛の野球界である。バットスピードや打球速度、打球角度など、その数値は自身のコンディションや課題を把握する上で大きな手掛かりになる。村上の打球速度は、既にMLBと比較してもトップクラス。2023年のWBC決勝・アメリカ戦で記録したホームランの打球速度は185.2kmで、22年には190kmを超える数値をマークしたこともある。
昨年のシーズン前には「打球速度をもっと上げたい」と目標を掲げていたこともあったが、今は既にその段階にはないのだ、と明かした。

