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吉田知那美「泣きそうになりました」日本選手権はチケット完売、カーリングはなぜ“視聴率の取れるスポーツ”になったのか? 観客を生む「2つの要素」
posted2025/02/15 11:02

日本選手権では準決勝敗退となるも、代表決定戦への進出が決まったロコ・ソラーレの藤澤五月と吉田知那美
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松原孝臣Takaomi Matsubara
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AFLO
2月2日に開幕し9日に終了したカーリングの日本選手権は、氷上の熱戦に加え、もう一つの点でも話題を集めた。横浜で開催されたことだ。2006年、パシフィックアジア選手権が東京・東伏見で行われたことがあったが、以降こうした規模の大会が開かれることはなく、日本選手権も北海道か長野県(軽井沢)がほとんどで青森県が4度あるのみ。むろん、首都圏では初開催であった。
吉田知那美「泣きそうになりました」
その試みを「成功と言っていいと思います」と大会実行委員長の酒巻智氏は言う。協賛社は例年の倍以上にあたる24社に上り、運営の支えとなったのも成功の要因だ。
なによりも観客数が成功を物語っている。約2000席の観客席のチケットは前売りの段階で全日程を完売。
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「(当日券について)毎日のように問い合わせがありました」
例年の日本選手権とは異なる光景に、選手も手ごたえを得た。ロコ・ソラーレの吉田知那美はこう語っている。
「最高でした。たくさんの方がいる日本選手権で、皆さん温かかったし『これがやりたかったんだ』って泣きそうになっていました」
同じくロコ・ソラーレの藤澤五月も「私たちのプレーにもすごくプラスに影響していると感じました」と言う。
大会初日から最終日まで連日NHKBSで放送され、放送されない試合の多くもライブ配信され一定以上が観たとみられる。