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「マツヤマは日本メディアをなぜ拒否したんだ?」松山英樹を追った米記者が驚いた“ある行動”…開幕戦Vの松山に贈られるタイガー・ウッズ級の賛辞
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byGetty Images
posted2025/01/07 11:03
ツアー新記録となる驚異的な数字を残しながら、この4日間は笑顔が少なかった松山英樹(32歳)。優勝を決め、ようやく表情が和らいだ
「マツヤマはドライビングレンジへ直行し、ドライバーショットのフィックス(修正)を始めた」
日本メディアの取材に応えることより、松山には優先したいことがあり、それは3日目の終盤、小さな狂いを感じたドライバーショットを、その日のうちに、きっちり修正させることだったのだと、その記者は納得。そして、こう結んでいた。
「マツヤマのそういう努力のすべてが最終日に報われ、コリン・モリカワを3打引き離して勝利した。彼のひたむきな研鑽が、この10カ月間で3つ目のシグネチャー・イベント優勝につながったのだ」
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3日目も最終日も松山と勝利を競い合い、2位に甘んじたモリカワも「35アンダーはすごすぎる。最終日、マツヤマは僕をただの一度もリードさせてはくれなかった」
誰もが松山に脱帽し、リスペクトの目を向けていた。
黄金期のタイガー・ウッズを彷彿とさせる
米メディアがこぞって高く評価していたのは、72ホール目の2.5メートルのバーディーパットを、松山がしっかり沈めて勝利した圧巻の勝ちっぷりだった。
「最後のパットが入るか、入らないかで、そういう感じ(PGAツアーの最多アンダーパー記録更新か、並ぶか)かなと思っていて、記録になったので、うれしい」
今回の松山のケースは、このバーディーパットを外したとしても、彼の勝利は揺るがなかったのだが、いずれにしても「これを入れたら新記録」や「これを沈めたら優勝」といった決めどころで、人々の期待に応えて、それをやってのける勝負強さが、今回の松山には、ありありと見て取れた。
そのことを世界のメディアは素直に讃えている様子。黄金期の最強のタイガー・ウッズを彷彿させる松山の戦いぶり、勝ちっぷりは「まるで、2000年代のウッズのようだ」と感じさせられた人は少なくなかったのではないだろうか。
だからなのだろう。長年、「サンデー・レッド」は「タイガー・ウッズ」と同義語とされているが、今回の松山の勝利を報じる際に「サンデー・イエロー」という言葉が世界のメディアのあちらこちらで使われていることに、少々驚かされている。