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日本ハム・清宮幸太郎の“覚醒”は「性格の良さあってこそ」恩師・荒木大輔氏が語る苦悩の日々と成長「村上宗隆と比較されても自分は自分と…」―2024下半期読まれた記事
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/12/23 06:01
ファイターズファンのみならず野球ファンの多くがその“覚醒”を待っていた
“親心”のような眼差しを向ける荒木氏。清宮のみならず万波中正や田宮裕涼ら、今のチームの主力となった若手はほとんどが二軍監督時代に見てきた選手だけに、感慨はひとしおのようだ。
躍進の陰に栗山前監督の功績
「清宮、万波、田宮、そして松本や淺間大基も、僕がいた頃は怪我が多くてほとんどファームで過ごしていました。ピッチャーでもファイナルステージの初戦の重責を担った伊藤大海は、一軍投手コーチ時代(2021年)に入ってきた選手です。その顔ぶれがここまで成長して、チームのためにやれる選手になったんだ、というのは本当に嬉しいです。
もちろん、その陰で彼らを辛抱強く起用し続けてきた栗山(英樹)監督の功績というのは忘れてはいけないと思います。ヤクルトで言えば関根(潤三)監督がじっくりと育てた選手を野村克也監督が花開かせたように、チームの躍進の陰には種を蒔いて水をやり続けた時間があるものです」
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レギュラーの多くは二十代半ばと他チームと比較して格段に若い。山﨑福也、郡司裕也といった他チームから移籍してきた戦力が安定して力を発揮し、今季はレイエスら頼もしい助っ人の活躍も大きかった。
「今のチームは年齢構成的にもバランスがいい。数年後にはこの選手たちが中心になってチームを引っ張っていくでしょう。そう考えるとファイターズの強さはしばらく続いていくと思いますよ」
日本シリーズ進出の夢は消えたが、若さ溢れるファイターズはさらに、ファンを魅了するチームに成長していきそうだ。(前編も公開中)