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ドラフト“史上最多6人指名”富士大のナゾ…39歳監督が語った“超独自戦略”とは?「地方・雪国・非名門」でも「逆に有利なんです」断言したワケ 

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曹宇鉉

曹宇鉉Uhyon Cho

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posted2024/12/17 11:01

ドラフト“史上最多6人指名”富士大のナゾ…39歳監督が語った“超独自戦略”とは?「地方・雪国・非名門」でも「逆に有利なんです」断言したワケ<Number Web> photograph by JIJI PRESS

オリックス1位の麦谷祐介(右から3人目)ら6人が指名を受けた富士大。なぜ岩手の一大学からこれほどプロ選手が生まれたのだろうか?

「富士大学」と聞いても、いったいどんな大学なのか、正直あまりイメージが浮かばない、という向きも多かったのではないか。野球ファンであれば、山川や外崎、金村尚真(日本ハム)らを輩出した東北の雄、くらいの知識はあるかもしれない。だが、1学年で6人もの大量指名を成し遂げた現実に対して、その内幕がよく知られていないのもまた事実だった。

 謎に包まれた“虎の穴”は、いったいどんな環境なのか。そして安田は、どのようにして東北の地で精鋭たちを鍛え上げたのだろうか。

 安田が富士大の監督に就任したのは2020年の7月だった。2021年入学の麦谷らは監督として手がけた第一世代にあたる。その世代がいきなり、ドラフトで史上最多の指名を受けた。スカウティング力や育成手腕に注目が集まるのも当然だろう。

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 そもそも、六大学や東都のいわゆる「名門大学」との比較で、富士大はリクルーティングの段階から不利な状況に置かれている。大学のネームバリューや立地条件において、有力な高校生の進学先として一番手にはなりがたいからだ。

安田監督がリクルートで「重視する能力」とは?

 安田はその状況を当然のものとして受け入れている。

「一番高いレベルの高校生はドラフトで上位指名される選手ですよね。次いで下位指名、育成指名と続くわけですが、そうなると『大学に行きます』という選手も出てくる。当然、六大学や東都にスカウトされればそちらに行く。

 いまの富士大の場合はその次くらい、現実的には“育成指名されるか、されないか”くらいの選手が入ってくるなかで最上位です。つまり、大学1年の時点で関東の有名大学に入る選手のほうが高いレベルにあるのは間違いない。その差を4年間でどう埋めて、追い越すか、というのをまず考えます」

 現時点の実力では同世代のトップに劣っていても、うまく育てれば4年後にドラフト指名される選手――そんなイメージを膨らませて、安田は自らスカウティングにあたるという。では、具体的に重要視する能力とは?

「言語化しにくい部分ですが、投手の場合は指先の感覚を見ますね。言い換えれば、投射角度と球質。このあたりの要素が最優先です。野手の場合は、とにかく足が速かったり、守備がうまかったり、能力のグラフが尖っている選手。荒削りで、その時点で結果は出ていなくても、ウチで磨けばモノになると感じる子に声をかけます」

【次ページ】 冬場に屋外で練習できないのは…「逆に有利」?

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