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「甲斐優斗がいるのに勝てない状況が続いてて…」男子バレー名門撃破の専修大“インカレ初制覇”の舞台ウラ、4年生たちが“日本代表の後輩”に恩返し
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米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byUNIVAS/Aki Nagao
posted2024/12/06 17:00

専修大のインカレ初優勝に貢献した甲斐優斗(3年)。日本代表での経験値をチームに還元した
身長2mのアウトサイドヒッターの甲斐は、高校時代から注目された逸材だったが、昨年日本代表デビューを果たしてから飛躍を遂げた。昨季の冬場はパリ・バレーでも経験を積み、ミスが少なく勝負強いサーブ、高さを活かしたスパイク、ブロックだけでなく、サーブレシーブも安定感を増していった。
人見知りゆえに日本代表のフィリップ・ブラン前監督から課題だと言われていたコミュニケーション面も、海外経験を経て変わっていった。大学に戻ると日本代表で得た知識を周囲に積極的に伝え、代表の練習を取り入れるようキャプテンに提案することも。竹内は言う。
「優斗が教えてくれたブロック練習を取り入れたり、プレー面も、代表でやっていることを結構教えてくれた。プレーはやっぱり別格で、すごく学ぶことが多いというか、学べないレベルのことをやってくるので(苦笑)、ほんとすごいなとしか言いようがなくて。その中でも参考にしようとはしていて、コートの真ん中に落とすプッシュであったり、リバウンドがすごくうまいので、そこは自分もできるように心がけてきました」
日本代表がいても勝てない秋季リーグ
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ただ秋季リーグは、パリ五輪から帰ってきた甲斐がいてもなかなか勝てなかった。甲斐頼みは明らかで、フルセットの試合で甲斐1人が83本ものスパイクを打ったこともある。いかに抜きん出たスパイカーがいても、そこにトスが上がるとわかっていれば相手も対応してくる。
セッターの井出はこう振り返る。
「リーグ戦は自分のメンタルの問題でした。初戦に勝ったあと負けが続いて……。1本の失点が入替戦につながるんじゃないかって、勝手に重圧を抱えていた。優斗に上げれば決められる、でもそれ以外のところで決められたらもっといい形なんだろうな、とはずっと思っていたんですけど、なかなかそれができませんでした」
だが全日本インカレでは開き直ることができた。「最後の大会なんで、思いっきりやるだけ。メンタルを強く持ってトスを上げるようにしています」と語っていた。
勝負どころでは甲斐に託しながらも、甲斐の対角の竹内やオポジットの堀内大志(3年)を積極的に使い、ミドルブロッカーも絡めてトスを分散させると、スパイカー陣がそれに応えて一戦ごとに勢いに乗った。
吉岡監督は「トスを散らし出してからグッとハマり始めましたね」とほくそ笑んだ。