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プレミア12・侍ジャパン完封負けの理由は「打てなかった」だけでなく…牧秀悟や桑原将志たちが感じた台湾代表の「本当の強み」とは?
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byNanae Suzuki
posted2024/11/26 11:03
バルセロナ五輪以来32年ぶりの主要国際大会の決勝戦で日本を破った台湾。侍ジャパンメンバーが感じたその強さとは
大会前から話題だった台湾の守り
「大会前から守備の良さというのは話題になっていました。僕は台北ドームで台湾の練習を見ている時に凄く驚いたんですよ。今までになかったスタイルの選手でチーム編成をしているな、って。
現代野球に必要なパワーとスピードを兼ね備えた選手が多くて、特に印象的だったのは脚の強さでした。学校の体力テストでいえば垂直跳びとか、反復横跳びに長けているような、運動能力の高い選手ばかり。脚が強い選手は球際が強いし、体勢が崩れても立て直すことができる。野球の伸び代が多いかどうかは、特に守備に表れるので」
体の強さ+日本に学んだ技術
台湾代表の選手たちには、今後さらに成長できるだけの伸び代がある。張奕のように10代の有望選手が日本の学校に留学したり、台湾プロ野球が日本のコーチを招くなど、台湾は日本の野球に学んで技術を身につけ、時に日本野球を凌駕するような実力を蓄えてきているのだ。
「台湾の選手たちが持つポテンシャルは凄い。チームとして力を発揮する戦術や、それを発揮できる精神力、あとは野球振興を後押しする国力というものも感じました。今回の台湾や、敗退はしたけれど韓国の選手たちの体の強さ、体の使い方というものは、日本の選手たちにとっても見習うところが沢山あると思います」と金子ヘッドコーチ。
台湾の初優勝は決して“フロック”ではない。2026年3月に行われるWBCまであと1年と4カ月。世界一連覇を狙う大会は、大谷翔平(ドジャース)らメジャー組も出場できる見通しだが、だからと言って決して油断はできない。成長し続けるアジアの新たなライバルから学ぶべきことは多い。