Sports Graphic NumberBACK NUMBER
「アスリートってタバコを吸わないから…」野人・岡野雅行と北京の銀メダリスト塚原直貴が語る、ストレスとの向き合い方
text by
福田剛Tsuyoshi Fukuda
photograph byShiro Miyake
posted2024/11/21 11:00
塚原 今になって客観的に振り返ってみると北京はストレスフルな環境だったと思います(笑)。でも、当時は自分が目標にしていた場所なのでストレスを感じるというよりも、どれくらい自分の力が通用するのかを試せる、ワクワク感の方が強かったです。チーム競技のサッカーとは違って、100m走の場合、結果はすべて自分の責任なのであまりストレスは感じないんですけど、リレーはチームなので失敗はしたくないという思いはありました。でも、考え過ぎないようにあえて切り離して考えていたので、ストレスという程の感覚はなかったですね。
岡野 国際大会の緊張する場面で、ストレスコントロールできるのはさすがトップアスリート。逆に引退して人に指導するようになってからはどう? ガイナーレ鳥取のGMになったときに、選手がそれをプロがやるかというような簡単なミスをするんです。でも、それを指摘しても、伝わらない。ただ、彼らはずっとJ3でプレーしているので、上のレベルを知らないからしょうがないんです。そこに気づくまではすごくイライラして、自分は指導者には向いてないのかなと悩んだこともありました。
塚原 たしかに、それはあるかもしれないですね。今、選手のコーチをしているんですけど、僕が指導する上で大切にしているのは、選手たちにトップで活躍する感覚やパフォーマンスの距離をきちんと把握してもらうことです。僕としては自分が要求するレベルは絶対に下げたくないので、その距離感が縮まっていない選手には、今のパフォーマンスだったら目標を達成するのは難しいとはっきりと伝えることもあります。なんとか彼らを日本代表にしたいという思いでしゃかりきにやっているんですけど、当然自分のなかで葛藤もありますし、現役の頃よりも時間がゆったり流れているので考える時間も増えている。当然、ストレスは溜まります。
現役を引退後、ストレス発散に選んだのはNICOLESS VAPE
――最近になって塚原さんはストレス発散のために、岡野さんの勧めでNICOLESS VAPE(二コレスベイプ)を始めたそうですね?
岡野 たまたま僕がNICOLESS VAPEを吸っているところを塚原くんが見ていて「それタバコですか?」ってすごく興味を示してきたんですよ。だから「これはNICOLESS VAPEと言って、タバコと違ってニコチンもタールも含まれていないから健康に一切害がないんだよ」というところから説明して(笑)、蒸気なので匂いも一切つかなく、周りの人に迷惑をかけることもないし、すごくリラックスできるから一度試してみたらと、余分に持っていた1本をあげたら、すごく気に入ってくれたみたいで。
塚原 岡野さんがあまりにリラックスしている様子だったのですごく気になったんですよね。陸上競技のしかも短距離ということで呼吸器系に関してハンデを負いたくなかったので、これまで一度もタバコを吸ったことがなかったんです。だからVAPEの存在自体まったく知らなかったですし、これがストレス発散になるとは想像もしていませんでした。岡野さんにもらって試してみたら、何これ?って、驚くくらい口の中に爽やかなフレーバーが広がってすごく気分が落ち着いたんです。翌日には吸い終わってしまったので、すぐにコンビニに買いに行きました。それくらい衝撃的な出会いでした。
――普段はどういうときにNICOLESS VAPEを吸っていますか?